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On the Production
by 井口健二
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■オペラ座の怪人、レディ・ウェポン、砂と霧の家、カンフー・ハッスル、誰にでも秘密がある、ULTRAMAN
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
※(今回は東京国際映画祭での特別上映作品を含みます。※
※ なお他の出品作品については別途紹介する予定です)※
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『オペラ座の怪人』“The Phantom of the Opera”
アンドリュー・ロイド=ウェバー作曲による舞台ミュージカ
ルを、作曲者自身の製作で完全映画化。監督は、『バットマ
ン・フォーエバー』などのジョエル・シュマッカー。
試写会では、上映前にロイド=ウェバーとシュマッカーの挨
拶が行われたが、それによると、ロイド=ウェバーは自分が
描いた世界を永遠に記録しておくため映画化を行ったものだ
そうだ。従ってこの映画には、舞台がほぼそのまま映像化さ
れているということだ。
僕は舞台は見ていないが、主題歌やマスカレードなどの音楽
は聞き覚えがあるし、地下の水路を船で行くシーンなどは映
像でも見たことがある。それらのシーンが次から次へ登場し
てくる。これらは正しく舞台の完全再現だ。
しかしこの映画の見所はそれだけではない。シュマッカー監
督はこの作品に、舞台では不可能な、映画にしかできない要
素をふんだんに取り入れているのだ。
例えば『ウェストサイド物語』の巻頭のニューヨークの街角
で群舞や、『サウンド・オブ・ミュージック』でスイスアル
プスを背景にマリアが歌う開幕の場面は、当時の映画ミュー
ジカルが、舞台にできないことをやってのけた名シーンとい
える。
しかしこの映画の舞台は、オペラ座という閉ざされた空間、
屋外野外のシーンは出来ないものだが、ここにシュマッカー
は、最新のディジタルVFXを取り入れて、見事な空間を作
り上げて見せた。これ以上は、これから見る人には説明でき
ないが、この映像を堪能するため、僕は何度もこの映画を見
ることになると思っている。
出演は、クリスティーヌに弱冠17歳のエモー・ロッサム。ラ
ウルにパトリック・ウィルスン。いずれも映画の出演は数本
で、ほとんど新人と言っていい2人だが、舞台の経験は長い
人たちだそうで、見事な歌唱力で役を演じている。
それに対して、ファントムを演じた『トゥームレイダー2』
などのジェラルド・バトラーには、正直言って僕はちょっと
歌唱力に物足りなさを感じた。また、カルロッタ役のミニー
・ドライヴァーには吹き替えが使われているようだが、これ
はドライヴァーのコメディエンヌとしての演技力と合わせて
良い効果を上げていたようだ。
なおドライヴァーは、エンディングロールに流れるロイド=
ウェバーが彼女のために書き下ろした新曲で、自分の歌声も
披露している。
さらに本作には、ファントムの生い立ちなど舞台では演じら
れないエピソードも盛り込まれており、舞台を見た人にも新
しい発見が楽しめるようになっている。
『レディ・ウェポン』“赤裸特工”
『HERO』『LOVERS』『少林サッカー』などのアク
ション監督で知られるチン・シウトンが監督した女性アクシ
ョン。シウトンは9月に紹介した『沈黙の聖戦』の監督も担
当していたが、元々は『チャイニーズ・ゴースト・ストーリ
ー』などの監督作品で知られていた人だ。
そして今回の作品は、2002年の製作のものだが、原題の“赤
裸”というのは1992年から続くシリーズだそうで、その最新
作ということでもあるようだ。因にこのシリーズは、題名か
ら想像が付くように、本来はかなりエロティックなものらし
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10月31日(日)
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