ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459846hit]

■僕の彼女を紹介します、CEO、陽のあたる場所から、三人三色、運命を分けたザイル
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『僕の彼女を紹介します』(韓国映画)         
韓国映画史上最高の日本興行を記録した『猟奇的な彼女』の
監督クァク・ジェヨンと女優チョン・ジヒョンが再び組んだ
ラヴ・ストーリー。                  
主人公は、赴任したばかりの女子高校の青年教師と、思い込
みの激しい熱血女性巡査。この2人が、巡査の誤認逮捕で出
会ってから愛し合うようになり、そして…という物語。  
まあ、何しろ思い込みの激しい女性に振り回されながらも、
彼女を暖かく見つめる男の姿が、男の目で見ても気持ち良く
描かれている。                    
実は、前作は見ていないのだが、本作のコミカルでちょっと
切ない感覚が共通のものならば、なるほど大ヒットしたこと
も理解できる。いまさら擦れた大人の目で見てとやかく言う
べきものでもないだろうし、こういう作品がヒットしてくれ
れば、それはそれで嬉しいものだ。           
なお本編は、後半いろいろファンタスティックな展開になっ
ていて、それが多少しつこいくらいに描かれるが、ラヴ・ス
トーリーというのは、これくらい描いてこそ正解だろう。そ
こに挟み込まれるアクションも、アクセントとして様になっ
ていて見事だった。                  
それから、この映画の挿入歌としてX−JapanのTears
という楽曲が使われている。彼らは、一時ワーナーの手で世
界進出が試みられたようにも記憶しているが、今回使われた
のは監督の意向で、その関係ではないようだ。しかし、朝鮮
語のせりふに日本語の歌詞が被るのは新鮮な驚きだった。 
因に、配給会社ではこの作品の題名を、略称で『ぼくかの』
と呼ばせたいようだ。                 
                           
『CEO−最高経営責任者』“首席執行官”       
1984年設立の青島冷蔵庫総廠を前身として、現在では白物家
電の売り上げで世界第6位、アジアの企業では韓国サムスン
に次ぐ第2位のシェアを誇る中国ハイアール社の今日に至る
道程を描いた再現ドラマ。               
同社は初期の段階でドイツ企業の技術を導入し、それを足掛
かりに徹底した品質管理と、中国政府の開放政策の先を行く
経営体制の改革で、世界の一流企業にのし上がって行く。し
かしその道程は、社員の意識改革などいくつもの困難を克服
したものだった。                   
そのドイツ企業の協力を得るまでの涙ぐましい努力や、どう
しても品質の上がらない冷蔵庫76台を工場内の敷地に並べ、
工場長(社長)である主人公自らがハンマーで叩き壊すエピ
ソードなど、本当にフィクションのようなストーリーが繰り
広げられる。                     
もちろん、これらは実話に基づくということだが、ふと今の
日本にこれだけのエピソードを語れる状況があるのかと考え
ると、正直、ほとんど存在しないのではないかと思ってしま
った。日本という国は、それほどに面白くも何ともない国に
なってしまった。                   
また、映画の途中でヘッドハンティングされた元社員が後日
訪ねてきたところで、「昔は自分が主人公のような気分で働
いていた」というせりふが出てきた。僕も30年ほど前にサラ
リーマンを始めた頃は、そんな気分だったような気がする。
しかし、今の日本でそのような気分で働いているサラリーマ
ンがどれだけいることか。               
この映画には、そんな日本の栄光の時代を再現しているよう
な趣もある。その意味では懐かしさも感じるものだが、その

[5]続きを読む

10月14日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る