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On the Production
by 井口健二
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■Movie Box−ing、爆裂都市、薄桜記、ブエノスアイレスの夜、トリコロールに燃えて、2046
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『Movie Box−ing』            
2002年の4月1日付で紹介した『パコダテ人』を誕生させた
函館港イルミナシオン映画祭のシナリオ公募で、2002年度の
短編部門を受賞した3作品を映画化した短編映画集。   
プレスシートの巻頭に「どれがいちばん面白い!?」とあっ
たが、僕は躊躇無く3本目に上映された『巡査と夏服』が面
白かった。                      
1本目の『RUN-ing』は、シュールさが売りの作品のはずだ
が、妙に説明的すぎてシュールさに入って行けなかった。 
2本目の『自転少年』は、同じ監督の最初の中編を前に見て
いるが、同じように子供を主人公にした作品で、子供の一所
懸命さばかりが目立ち、前の作品と同様、その一所懸命さが
ドラマから遊離してしまっている感じがする。      
これに対して3本目の作品は、ドラマもちゃんとあるし、一
所懸命さも見えるし、特に、結末に向かっての引っ張りも良
く演出されている感じがした。また、エンディングには技術
的な工夫も感じられた。                
なお2本目と3本目は、一昨年、昨年と発表会を見せてもら
ったニューシネマワークショップが制作にクレジットされて
いたが、いよいよプロが育ち始めたというところだろうか。
そういえば、今年の発表会の案内がまだ届かないがどうなっ
ているのだろう?                   
楽しみにしているのだが。               
                           
『爆裂都市』“爆裂都市”               
独立系の洋画配給会社で、日本映画や香港映画の製作も手掛
けるアートポートが、2004年香港で製作した最新アクション
映画。                        
『フルタイム・キラー』『トゥームレイダー2』のサイモン
・ヤム、『ダブル・タップ』のアレックス・フォンらが演じ
る香港警察と、千葉真一、しらたひさこらが演じる国際テロ
組織の闘いが描かれる。                
物語は、要人の狙撃事件に始まって、警察とテロ組織との対
決の様子などが手際よく描かれる。後半ちょっとバタバタす
る感じはあるが、謎解きやその解決策なども破綻はあまり見
られないし、全体的には98分によくまとまっている感じだ。
また、海外での上映がどうなるか知らないが、千葉やしらた
らが、日本語の台詞でそのまま喋っているのには感心した。
もちろん重要な台詞は母国語で喋るのが一番な訳だし、この
感覚は大事にしてもらいたいとも思った。        
まあ、千葉が日本語で話しているのに、相手がそのまま英語
や広東語で返事をするのは違和感がないことはないが、お互
いに相手の言語を理解していれば、こういう会話も成り立つ
はずで、そんな理解で見られればいいというところだろう。
アートポートには、この後も製作作品があるようなので期待
して行きたい。                    
                           
『薄桜記』                      
1959年製作の市川雷蔵、勝新太郎共演作品。1969年に37歳で
夭折した大映スター市川雷蔵の映画デビュー50年周年記念で
行われる「市川雷蔵祭」の1本として上映される。    
市川も勝も1931年の生まれだから、2人とも28歳のときの作
品。市川は丹下典膳、勝は堀部(中山)安兵衛に扮して、赤
穂浪士の動きに絡めた2人の剣豪の数奇な運命が描かれる。
高田馬場の決闘から、吉良家討ち入りまで時間の中で、偶然
1人の女性に思いを寄せた2人の剣豪。しかしその思いは、

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09月30日(木)
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