ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ヴィレッジ、ビハインド・ザ・サン、モンスター、キャットウーマン、バイオハザードII、酔画仙、ブラインド・・、ハッスル、春夏秋冬・・
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『ヴィレッジ』“The Village”             
M・ナイト・シャマラン監督の最新作。         
試写の前に、物語中の謎に関しては口外しないという契約書
にサインをした。                   
僕は、元々物語のネタばらしは好きではないし、ここでも極
力ネタばれはないようにしているつもりだが、それでもうっ
かりしてしまうことはある。後で気が付いて文章を削除した
こともあるが、今後もネタばれには気をつけたいと思う。 
ということで、物語について詳しくは書かないが、一応の設
定は、周囲を完全に森で閉ざされた村が舞台。先祖がその土
地に移住してきてから、人々は自給自足で平穏に暮らしてい
るが、その森には何かの存在がいて、先祖は彼らと、森に入
らない代りに平穏な暮らしを得る契約を結んでいた。   
このため村にはいろいろなタブーがあるが、その一方で、子
供たちの中には、森を肝試しの対象にした遊びも流行り始め
ていた。そして…。                  
シャマランは、『シックスセンス』がものの見事にはまった
作品で評価も高いが、僕には究極のオタクを描いた『アンブ
レイカブル』も、SF映画のアレンジの『サイン』も楽しめ
る作品だった。実際、後の二者については評価しない人も多
いようだが、これが楽しめない人は可哀想だと思っているく
らいだ。今回もそういう作品、だから楽しめる人には存分に
楽しんでもらいたい。                 
出演者は、ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロデ
ィ、シガニー・ウィバー、ブライス・ダラス・ハワード、ウ
ィリアム・ハート。特に、本作が本格映画デビューとなった
ハワードが良かった。                 
                           
『ビハインド・ザ・サン』“Behind the Sun”      
『セントラル・ステーション』などのウォルター・サレス監
督の2001年作品。なお、監督の名前は、従来はヴァルテルと
表記されていたが、今回から変えるようだ。       
1910年のブラジルを舞台に、隣組同士が血を血で洗う抗争を
繰り広げる物語。                   
しかも、一方の一家はそれなりの暮らしをしているが、他方
の一家はすでにほぼ根絶やしとなり、生活も困窮してしまっ
ている。そんな他方の一家の幼い末弟を語り手に、物語は進
んで行く。                      
その年の2月、困窮した一家の長兄が射殺される。犯人は裕
福な一家の長兄。このため、困窮した一家の次兄には、兄殺
しの犯人の射殺の義務が課せられる。それはシャツに付いた
血痕が黄色く変色した時が開始の合図となる。      
義務が果たされれば、それは次の義務を生み、裁ち切れぬ恐
怖の連鎖はいつまでも続くことになる。しかし、父親は家名
をかけて義務の全うを要求する。元々は土地争いなどの大義
があったはずだが、すでにそれは忘れられ、名誉のための戦
いだけが続いて行く。                 
この作品の作られたのが、2001年のいつかは定かでないが、
サレス監督がこの物語に込めた寓意は誰に目にも明らかだろ
う。しかし結局2001年9月11日は起こり、米=イラク戦争は
泥沼化してしまっている。人間の愚かさを見事に描き出した
作品。                        
困窮した生活の中で、唯一の収入源である砂糖を作り続ける
一家。そこに現れて、子供たちに楽しい世界を見せようとす
るサーカスの2人。いろいろな寓意が物語を彩っている。 
主演は、本作の後に、『ラブ・アクチュアリー』や『チャー

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08月31日(火)
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