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On the Production
by 井口健二
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■第69回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回もトラブル解消…、ということにはならなかったが、
ちょっと意外な展開となった話題で、前回トラブルを報告し
たトム・クルーズ主演の“Mission: Impossible 3”に替っ
て、クルーズ主演、スティーヴン・スピルバーグ監督による
H.G.ウェルズ原作“War of the World”の再映画化が、
突如来年夏の公開を目指して進められることになった。
この“War of the World”の再映画化の計画に関しては、
2002年6月1日付の第16回でも紹介しているが、当初はクル
ーズの主演作としてパラマウントから発表されたもので、そ
の後に『マイノリティ・リポート』の撮影中に話し合ったと
いうスピルバーグの参加が報告されていた。しかし、総製作
費が1億ドルを越えると予想される計画には、なかなかゴー
サインが出なかったものだ。
ところが、前回報告した“M:I3”のトラブルで、ジョー・
カーナハン監督の降板の後、前回もお伝えしたJ.J.エイ
ブラムスによる引き継ぎが交渉されたのだが、テレビ界に籍
を置くエイブラムスには、すでに今秋からの新番組の計画が
進行中で交渉は成立せず、結局この計画は来年に延期される
ことになってしまった。因に、一部米誌では来年計画されて
いる撮影は、エイブラムスが行うとしているところもある。
一方、スピルバーグ監督には、今年5月1日付の第62回で
報告した、1972年のミュンヘン・オリンピックでの事件を題
材にした作品の撮影が6月に計画されていたが、当初はエリ
ック・ロスが手掛けていた脚本に問題が発生、その後トニー
・カシュナーによる書き直しが行われているが、その脚本は
まだ完成されていないようだ。
そこで“M:I3”のキャンセルで、来年夏のスケジュールに
空白のできてしまったパラマウントが両者との交渉を行い、
48時間の協議の末に、“War of the World”の再映画化に向
けてのゴーサインを出したというものだ。
なお、撮影は11月に開始の予定で、その前のプレプロダク
ションの期間は10週間しかないが、この計画ではすでにデイ
ヴィッド・コープによる脚本も完成されており、これだけの
メムバーが揃えば、製作は何とかなりそうだ。
とは言うものの、VFXなどのポストプロはかなり大変に
なりそうだが、報道によるとコープの脚本は現代化されたも
のが採用され、期待された19世紀末が舞台のものではないと
いうことなので、それならVFXの手間も多少は軽減されそ
うだ。因に、そのVFXは、ILMがデニス・ミューレンの
指揮下で担当することも発表されている。
いずれにしても待望の企画の実現だが、製作期間の短さは
クルーズ、スピルバーグの実力でカバーして、素晴らしい作
品を作り上げてもらいたいものだ。
* *
お次も、再映画化の情報で、『ヴァン・ヘルシング』では
オリジナルの老教授を、一躍スーパーヒーローに仕立て上げ
たスティーヴン・ソマーズ監督が、次なるスーパーヒーロー
の計画として、往年の連続活劇でも有名な“Flash Gordon”
の権利を獲得し、その映画化を目指すことが発表された。
この作品は、元々は1934年に発表されたコミックブックに
よるものだが、1936年、38年、40年にユニヴァーサルが連続
活劇で映画化して大人気となった。その後は新聞の連載漫画
やアニメーション、テレビシリーズにもなっている。そして
1980年には、ディノ・デ・ラウレンティス製作による大作映
画が公開され、このときはロックバンドのクィーンが手掛け
た主題歌も話題を呼んだものだ。
その再映画化が計画されているものだが、実は今回の計画
では、全米第3位のコミックス出版社トップ・カウによるコ
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08月15日(日)
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