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On the Production
by 井口健二
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■透光の樹、ツイステッド、犬猫、ニュースの天才、クライモリ、トルク、マイ・ボディガード、80デイズ、みんな誰かの愛しい人
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『透光の樹』
1999年に第35回谷崎潤一郎賞を受賞した高樹のぶ子原作の映
画化。青年期に出会い、25年ぶりに再会した男女が、一気に
関係を深めて行く姿を描く。
男は、番組製作会社の社長。彼は25年前に一人の刀鍛冶を追
った番組を制作し、当時高校生だったその娘と出会う。そし
て25年後、ふとそのことを思い出した男は、刀鍛冶の消息を
尋ねるが、そこには昔の面影を残す彼女の姿があった。
しかし病気の父親を抱える彼女の生活は困窮し、その窮状を
訴える女に男は金を渡し、その代償として関係を結んでしま
う。そのため、男には金で買ったという後ろめたさが生じる
が、女は男を求め続ける。やがて男は…、そして女は…。
この男を永島敏行、女を秋吉久美子が演じる。中年というよ
り、最早初老に域に入ろうとする男女の純愛。これを根岸吉
太郎監督が克明に綴って行く。
秋吉は1974年日活作品『赤ちょうちん』が本格主演第1作。
その作品を撮った藤田敏八監督に師事していたのが、根岸監
督。また、その製作は本作と同じ岡田裕だった。つまりこの
作品は当時の日活ロマンポルノの流れを純粋に受け継ぐ作品
とも言える。
従ってこの作品には、男女の絡みのシーンがふんだんに出て
くる。それを秋吉と永島が演じるのだが、秋吉は、あるとき
は年齢を出し、あるときは若い頃を髣髴とさせる表情で大胆
に、そして見事に演じている。
そしてその演出も、シーンを重ねるごとに徐々にエスカレー
トさせて行く描き方が素晴らしく、しかもその最後は、まさ
に往年のロマンポルノを思い出させるような懐かしい演出で
締め括る。
物語の最後は、さらに15年後の現代で幕を閉じるが、その最
後で彼女の娘の叫ぶ台詞が印象的だった。見事な作品。
『ツイステッド』“Twisted”
アシュレイ・ジャド、サミュエル・L・ジャクスン、アンデ
ィ・ガルシア共演、フィリップ・カウフマン監督による殺人
ミステリー。
ジャドが扮するのは、殺人課刑事に昇格したばかりの婦人警
官。彼女には、幼い頃に警官だった父親が母親を殺して自殺
したというトラウマがある。その後、彼女は父の相棒だった
ジャクスン扮する警察本部長に育てられたが、今回の昇格に
は、養父のお陰とするやっかみも聞こえる。
そんな彼女の周囲で殺人事件が起こり始める。被害者は彼女
が関係を結んだ男たち。その事件を彼女はガルシア扮するベ
テラン刑事と追うことになるが、彼女には事件が起きた時刻
のアリバイも記憶もなく、第1容疑者が捜査を行うという奇
妙な図式となってしまう。そして決定的証拠が出て、ついに
彼女は身柄を拘束されることになるが…。
2002年にサンドラ・ブロック主演で作られた『完全犯罪クラ
ブ』や、先日はアンジェリーナ・ジョリー主演の『テイキン
グ・ライブス』など、ハリウッドはこの手の女性刑事ものが
相当にお好きらしい。そんな中で本作は、さすがにカウフマ
ン監督が付いただけのことはあって、作りもしっかりしてい
た。また、ジャクスン、ガルシアの両ベテランが脇を上手く
締めているのも、心強い感じがした。
まあ、上映時間1時間37分程度の作品ではあるし、それ相応
の作りの作品ではあるが、特にジャドのファンには楽しめる
ところだろう。
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08月14日(土)
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