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On the Production
by 井口健二
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■第68回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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前回はトラブルの話題をいくつも紹介したので、今回はト
ラブル解消の情報からお伝えしよう。
1992年のヒット作“Basic Instinct”(氷の微笑)の続編
の製作に関して、女優のシャロン・ストーンと製作者のアン
ディ・ヴァイナ及びマリオ・カサールとの間で争われていた
裁判が結審し、晴れて“Basic Instinct 2”が実現すること
になりそうだ。
オリジナルは1992年3月に全米公開され、今回Variety紙
の報告によると、米国内だけで1億1700万ドル、全世界では
4億ドルの興行収入を上げたとされている。そして同年4月
には早くも続編の情報も流されていた。
ところがその後にオリジナルを製作したカロルコが倒産、
その所有資産の処分を審議したロサンゼルス破産裁判所は、
1997年2月に、この続編とリメイクの映画化権をMGMが獲
得したことを発表した。しかしこのとき、オリジナルに主演
したストーンはパラマウントに映画化権の獲得を要請してお
り、同社が獲得に失敗したことから、ストーンの去就も注目
されることになった。
一方、MGMでは、オリジナルのスタッフキャストを再結
集させるべく交渉を開始、そして1998年1月には、ストーン
もそれに参加することが発表された。さらにこの頃からは、
カロルコ倒産後は個別に行動していたオリジナルの製作者の
ヴァイナとカサールが再び手を結び、C−2プロダクション
を設立して『ターミネーター3』の製作が開始された。
そして2000年6月、MGMはC−2を製作プロダクション
に招き、ストーンを主演に据えた続編の製作を正式に発表し
たのだが…。その後にオリジナルに続いて共演するはずだっ
たマイクル・ダグラスが降板を表明、これに対してC−2は
共演者にベンジャミン・ブラットを指名、しかしこれにスト
ーンが反対を表明して、このときC−2側が、「まだストー
ンとは正式契約を結んでいない」と発言したことが裁判に発
展してしまった。
なお、ストーン側の主張は、彼女とC−2が会った際に、
口頭で出演料1400万ドル、または興行収入の15%という約束
がされており、ハリウッドでは、このoral agreementが有効
だとするものだ。確かにこの口約束というのは、以前に別の
映画製作でも問題になったことがあるが、契約書社会とも言
われるアメリカの中で、ハリウッドだけは別世界のようだ。
その裁判が2001年に提訴され、それがようやく決着したも
ので、決着の具体的な内容は明らかにされていないものの、
これにより映画製作への障害はなくなったとして、MGMで
は早速その準備を始めたとされている。
因に、今回の裁判はストーンとC−2の間で争われたもの
で、MGMはその当事者ではなかった訳だが、MGMではそ
の間、“Risk Addiction”という題名も用意して、ストーン
の出演がなくなった場合には、独立の作品として映画化する
ことも検討していたということだ。しかし今回の結果で、ま
だ正式な契約書へのサインはないものの、彼女の復帰の可能
性はかなり高くなったとし、晴れて“Basic Instinct 2”と
して製作ができそうだとしている。
監督(一時は、ジョン・マクティアナンやデイヴィッド・
クローネンバーグの名前もあった)や、他の共演者の名前も
未発表だが、脚本は、ノンクレジットで『ミニミニ大作戦』
のリメイクなどにも関わり、2001年製作の監督デビュー作品
“The Believer”が好評を得ているヘンリー・ビーンと、レ
オーラ・バリッシュによるものが予定されているようだ。
* *
お次もトラブル解消の続報で、前回報告したMcG降板に
よる“Superman”の後任監督に、前回も噂を紹介したブライ
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08月01日(日)
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