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On the Production
by 井口健二
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■第66回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回はリメイク(?)の話題から。
 1968年に故スティーヴ・マックィーンが演じたタフガイ刑
事“Bullitt”(ブリット)を、『トロイ』のウルフガング
・ペーターゼン監督で復活させる計画が、ワーナーから発表
された。
 オリジナルは、ロバート・L・パイク(『殺人同盟』シリ
ーズなどのロバート・L・フィッシュの別名)原作の“Mute
Witness”という小説を、ピーター・イェーツ監督で映画化
したものだが、今回の計画では、フランク・ブリットのキャ
ラクターは登場するものの、物語は原作に拠らないというこ
とで、ペーターゼンも、「これはリメイクではなく、偉大な
キャラクターの復活だ」としている。
 そして、その現代化させた脚本は、ワーナーでジョール・
シルヴァ製作の“The Brave One”などを手掛けるシンシア
・モートが執筆する。
 因に、オリジナルでは、サンフランシスコを舞台に、坂道
をジャンプしながら疾走するカーチェイスのダイナミックな
描写が話題となったものだが、今回の計画でそれは復活する
のかどうか。ペーターゼンなら、まずそこを再現しそうな感
じだが…、期待したいところだ。
 キャスティングは未定。ただし本作では、オリジナルの権
利の一部を故人が所有していたということで、共同製作には
遺児のチャド・マックィーンが参加している。俳優だったこ
ともあるチャドは、現在は40代半ばくらいのはずだが、父親
の跡目を継いで彼自身の復活ということはあるのだろうか。
        *         *
 「偉大なキャラクターの復活」ということではこれもワー
ナーから、前々回、前回も報告した“Superman”の続報で、
まだ会社側からの正式な製作発表はないが、実務を担当する
製作者との交渉が始まったという報告が届いている。
 この計画では、元々は初期の『バットマン』の映画化を手
掛けたジョン・ピータースが製作を担当していたものだが、
1998年にティム・バートン監督、ニコラス・ケイジ主演でス
タートした復活劇は頓挫。その後昨年には、ブレット・ラト
ナー監督で進めようとした計画も、ピータースとラトナーの
意見対立でご破算となっていた
 ということで、ワーナー側もこのままピータースには任せ
ておけないということになったのか、新たに別の製作者を据
えることになったようだ。
 そこで交渉されているのが、『ワイルド・スピード』や、
『XXX』、それに『SWAT』などを手掛けるニール・モ
リッツと、『ゴーストシップ』や、新作の“Constantine”
“Starsky & Hutch”などのギルバート・アドラー。彼らを
製作者に起用して、J.J.アダムス脚本、McG監督によ
る計画を一気に進めたい意向のようだ。
 ただし、ここで1つ問題があって、実はモリッツは、現在
もオーストラリアでロブ・コーエン監督の新作“Stealth”
(2003年1月15日付第31回に“Warrior”として紹介)を製
作中だが、今年の初めに同作を配給するソニー=コロムビア
と映画製作に関する優先契約を結んだばかりなのだ。
 従って、前回ジョン・ウー監督とパラマウントの関係でも
述べたように、今回のワーナーの計画に参加するためには、
コロムビア側の了解が必要になるということ。しかしモリッ
ツはすでに“Stealth”の製作も進めているということで、
この点は何とかなるのではないかという観測のようだが…。
 そしてこのモリッツの起用では、すごい噂が飛び出してき
ている。それは彼が、今回登場する敵レックス・ルーサー役
に、ヴィン・ディーゼルの出演を考えているというものだ。
このルーサー役には、当初はジョニー・デップが交渉され、
そのデップがジョー・エル役を希望していたことは前々回紹

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07月01日(木)
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