ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■スパイダーマン2、トゥー・ブラザーズ、フォッグ・オブ・ウォー、恋の門
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『スパイダーマン2』“Spider-man 2”         
待望のシリーズ第2弾。物語は前作の2年後、ピーター・パ
ーカーは大学生となり、メリー・ジェーン(MJ)は舞台の
新進女優として脚光を浴びている。そして2人の仲は…。 
スパイダーマンとしての活動が忙しいピーターには、MJと
の仲を発展させる暇はなく、逆にスパイダーマンの恋人と知
れることで、彼女に危害が及ぶのを恐れている。しかし、そ
んな想いの判らないMJは、ついに彼との関係をあきらめよ
うと決意する。                    
そしてピーターは、そんな状況に嫌気が注し、ついにスパイ
ダーマンをやめようと決意するのだが…。物語は、そんな2
人の恋の行方を追いながら、新たな敵ドク・オクの登場で、
一気に加速する新アクションを展開する。        
前作の上映時間は121分、本作は127分だから、ほんの少しだ
け長くなったことになるが、前作では何といっても発端の説
明に時間を費やした分、本作では一気にドラマが展開するの
だから、その見応えは倍増という感じだ。        
それも、以前に特別映像の報告で述べたようなアクションシ
ーンから連続してドラマシーンになったり、予告編に流れる
ようなドラマから一気にアクションに展開する仕掛けが見事
に決まっているから、いわゆるアクション映画のドラマ=ダ
レ場というような雰囲気がない。            
何しろ、常に何かが起りそうな雰囲気が持続していて、その
テンションの高さは相当のものだ。ギャグまでアクションの
一環になっているのだ。                
そして描かれるドラマは、スパイダーマン自身の葛藤。それ
は自分自身の存在の意味を問いかけるものだが、これはある
意味、現代人なら誰でもが感じている葛藤を、シチュエーシ
ョンで増幅しているのだから、ピーターの想いに共感する人
は多いはずだ。                    
トビー・マクガイア、キルスティン・ダンスト、それにジェ
ームズ・フランコという、言わば現代ハリウッドの若手実力
派と言って良い3人が、前作同様に揃ったドラマは本当に見
応えがあった。他に、ドク・オク役で、『フリーダ』のアル
フレッド・モリーナが共演している。          
なお、主演の3人は最初から3部作の出演契約を結んでいる
ということで、第3作は決定事項。そして、日本で行われた
記者会見では、マクガイアもダンストも、第3作は東京を舞
台にしたいと言っていたが…。はてさて、如何なることか。
                           
『トゥー・ブラザーズ』“Two Brothers”        
『愛人/ラマン』や『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
のジャン=ジャック・アノー監督の最新作。1988年の『小熊
物語』以来となる野性の動物の姿を追って描いた作品で、ア
ノーは監督の他に、原作、製作、脚本も手掛けている。  
1920年代のカンボジア。アンコールワット遺跡の中で2頭の
トラが誕生する。父母の愛に育まれる2頭だったが、そこに
仏像を盗掘に来たイギリス人冒険家が現れ、1頭は母親と共
に逃げるが、父親が殺され、残る1頭は捕獲されてサーカス
に売られてしまう。                  
一方、その場は逃げた切った母親ともう1頭だったが、その
地の開発を目論むフランス人行政官が催す接待狩猟会のため
の罠にかかり、母親は負傷して逃げるが、子は捕獲されて行
政官の息子のペットとされる。             
こうして、ばらばらの暮らしとなった2頭だったが、やがて
運命は、成長した2頭を互いの戦いの場へと導いて行く。 

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06月30日(水)
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