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On the Production
by 井口健二
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■第62回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 まずは、昨日付の映画紹介にも書いた記者会見の報告から
で、『シュレック2』の特別映像の上映に合わせて来日した
製作者ジョフリー・カツェンバーグの口から、“Shrek”の
今後の展開について聞くことができた。
 それによると、このシリーズではかなり早い時期から4部
作にすることが計画されており、従ってこの後には“Shrek
3”と“Shrek 4”が作られる予定だとのこと。そしてすでに
“Shrek 3”は、準備が開始されているということだ。
 さらにその内容については、今回上映された『シュレック
2』の特別映像では、フィオナ姫の故郷が舞台になり、その
生い立ちや、何故ドラゴンの塔に閉じ込められるようになっ
たかが描かれていたが、“Shrek 3”では、シュレックがあ
の沼地にやってきた経緯が描かれ、シュレックが故郷に戻る
展開にもなるということ。またその旅には、フィオナとドン
キーも同行することになるようだ。
 ということは、おとぎ話のキャラクターたちの住む森を中
心に、フィオナの故郷である人間界と、シュレックの故郷の
モンスター界との位置関係が大体決ってきそうだが、そこか
ら“Shrek 4”の展開を考えると、これはやはり、人間Vs.モ
ンスターの闘いということになってしまいそうだ。
 そしてそこでのシュレックとフィオナの立場は、「ロミオ
とジュリエット」を予想するのが単純だが、どんなものだろ
うか。出来ればこの予想を裏切るような物語であって欲しい
ものだが…。
 いずれにしても、シリーズは全4作となるようで、前作の
公開された2001年から第2作までは3年掛かったが、準備が
すでに始まっているということは、“Shrek 3”の公開は、
もう少し間隔が狭まる可能性もありそうだ。ただし、次回作
の日本配給は、角川になるようだが。
        *         *
 お次は、日本のマスコミでもいろいろ取り上げられていた
が、4月22日付の報道でソニーがMGMを買収するという話
について少し気になったことを書いておこう。
 まずは今回の報道で、ソニーの目的が、覇権争いを展開し
ているHD−DVDの戦略で、ソニー陣営のブルレイ・ディ
スクを有利にしようとするものであることは確かだが、日本
での報道の中で、『ベン・ハー』をその対象作品としていた
のには問題がある。何故なら今回の買収には、この作品は含
まれないはずなのだ。
 これについては、昨年6月15日付第41回で“Westworld”
のリメイクについて書いたときにも触れたが、実は、1986年
以前のMGM作品の権利に関しては、現在はワーナーが管理
しており、現行の会社にはその権利が存在しない。これは、
1986年当時にMGMを所有していたテッド・ターナーが、そ
の後ワーナーと組むことになって同社を現所有者のカーク・
カーコリアンに売却した際に、それ以前の映画の権利につい
ては会社から分離して手放さなかったことによる。
 このため『ベン・ハー』を始め、『雨に唄えば』『風と共
に去りぬ』『オズの魔法使い』『2001年宇宙の旅』など
の、MGMの代表作と呼ばれる作品の大半は、現行のMGM
ではなく、現在ターナーが副社長になっているワーナーが管
理しているものだ。
 ただし、1987年以降のMGM作品と、当時から合併状態に
あったユナイテッド・アーチスツ(UA)の作品については
現行のMGMが管理しており、従って、『007』や『ロッ
キー』『ピンク・パンサー』などについては今回の買収に含
まれるが、少なくとも『ベン・ハー』の権利は今回は含まれ
ていないはずのものだ。
 なお今回、買収に含まれる作品の数は約4100本ということ
だが、これは約4700本と言われるMGM作品の総数の中から

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05月01日(土)
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