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On the Production
by 井口健二
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■第58回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回は、僕も思わず喝采したこのニュースから。
すでに一般マスコミでも報道されているが、『ラスト・サ
ムライ』で好演した渡辺謙が、3月にロンドンで撮影開始さ
れるクリストファー・ノーラン監督の“Batman 5”に、敵役
のラーズ・オル・グール役で出演することが発表された。
この敵役については、2003年12月15日付の第53回でも紹介
しているが、このときは『28日後...』のキリアン・マーフ
ィが配役されたというものだった。それがいきなり渡辺謙と
なった訳だが、実は、最新のVariety紙の製作リストでも、
マーフィの名前は後の方に掲載されており、結局、彼はDr.
ジョナサン・クレインこと、今回はサブの敵役のスケアクロ
ウ役だったようだ。
それにしてもこの製作リストでは、ブルース・ウェイン=
バットマン役のクリスチャン・ベイルに続く出演者の2番目
にKEN WATANABEと記され、しかもその後に、マイクル・ケイ
ン(執事アルフレッド役)、リーアム・ニースン(助言者デ
ュカード役)、ケイティ・ホームズ(恋人レイチェル役)、
モーガン・フリーマン(ウェイン社・会長役)、デニス・ク
ェイド(ゴードン署長役)らの名前が並んでいるのには感動
する。何と言っても、オスカー受賞者のケイン、ニースン、
それにハリウッドの黒人スターの重鎮とも言えるフリーマン
の前に渡辺の名前があるのだ。過去にこれほど厚遇された日
本人俳優がいただろうか。
しかし、それほどの快挙だと言うのに日本のマスコミの扱
いの小ささには少なからずショックを受けた。同じ日にゴシ
ップの報道が出たのは偶然かも知れないが、それとこれのど
ちらがより重要な話題なのか。実際に海外では、『ラスト・
サムライ』での好演ということもあって、かなり大きく報じ
ていたところもあった訳で、少しは世界に目を向けてほしい
と感じたものだ。まあ、日本でも映画ファンサイトがかなり
盛り上がったということでは、多少ほっとしたが…。
因に、ラーズ・オル・グールは、1971年6月に初登場とい
うことで、バットマンに登場する敵役の中では比較的新しい
キャラクターだが、実は彼には娘がいて、タリアという名前
のこの娘は、バットマンの中では数少ないブルース・ウェイ
ンとバットマン両方の恋人ということになっている。ここで
父親が日本人なら、娘も日本人の配役を期待したいところだ
が、実は今回ホームズの演じているレイチェルが、タリアの
隠蓑という説もあり、期待通りには行きそうにない。
ただしラーズとタリアは、最近のコミックスでは、バット
マンのシリーズを離れてスーパーマンのシリーズの方で主に
活躍しているという情報もあり、これでもし渡辺=ラーズが
評判になれば、製作が行き詰まっている“Superman”の映画
化にも登場の可能性が考えられる。そうなると、一時ジム・
キャリーが狙っていた両シリーズへの敵役での登場を、渡辺
が実現してしまうことになる訳で、これも大変な出来事とい
えるのだ。こんな夢の実現を、本当に期待したいものだ。
なお、“Batman 5”の正式題名が“Batman Begins”に決
定したという情報もあるようだが、この題名が何を意味する
かという辺りも気になるところだ。また、配役は未定(ガイ
・ピアースにオファーされているという情報もある)だが、
1995年の『バットマン・フォーエバー』でトミー・リー・ジ
ョーンズが演じたハーヴェイ・デントが、トゥー・フェイス
になる前の姿で登場するという話もあるようだ。
* *
次は、ちょっとショッキングなニュースで、イギリス映画
の振興を支えてきた映画基金の税法上の優遇処置が2月中旬
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03月01日(月)
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