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On the Production
by 井口健二
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■大脱走、妄想代理人、かまち、パピヨンの贈りもの、ランダウン、真珠の耳飾りの少女、ケイナ、H、恋愛適齢期
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『大脱走』“The Great Escape” 
1963年製作ジョン・スタージェス監督作品のリヴァイバル。
日本でも63年に初公開され、その後70年に一度リヴァイバル
公開されたようだが、僕自身は初公開当時にロードショウで
見て以来40年ぶりの再見だった。
とは言うものの、正直のところ初公開を見た頃はまだ子供だ
ったから、印象に残っているのは、スティーヴ・マックィー
ンのオートバイなどアクションばかりで、今回は全く新鮮な
気持ちで見られたものだ。
そして今回見直して、いろいろ細かい要素もあったことに改
めて気付かされた。
実際、この物語の捕虜たちは、ほとんどがイギリス軍人で、
アメリカ人はほとんどマックィーン一人だけだったというこ
とにも、以前は全く気がついていなかった。アメリカ映画な
のだし、当然アメリカ人が主人公だと思っていたのだが…。
また、当時はマックィーン始め、ジェームズ・ガーナー、チ
ャールズ・ブロンスンといったすでにテレビで見慣れていた
俳優たちに目が行っていたものだが、実はこの後の『ナポレ
オン・ソロ』で人気を得るデイヴィッド・マッカラムがかな
り重要な役だったことも記憶していなかった。
さらに最終的に逃げ切れたのは、映画に登場する3人以外に
も10人以上いたようだ。それも今回初めて最後の方でちゃん
と報告が行われていることに気がついた。
ハリウッド映画らしくドイツ軍も英語を喋るが、それでも要
所ではちゃんとドイツ語だったりフランス語だったり、そん
なところが違和感なく細かく演出されているところにも、今
回初めて気がついたところだ。
ついでに脚本がジェームズ・クラヴェルだったことにも、今
回初めて気がついたし、上映時間が2時間57分もあったこと
にも初めて気がついた。
なお、昔のアクション映画を見直すと、テンポがかなり遅く
て驚くことがあるが、この作品ではそのようなこともなく、
さすがスタージェスという感じもした。
ということで、昔見た映画を見直すのも、結構面白いものだ
ということが解かったのも収穫だった。

『妄想代理人』
『東京ゴッドファーザーズ』の今敏監督がWOWOW用に製作し
たアニメーションシリーズ。全13回の内の第1回と第2回放
送分の上映と、声優及び監督の舞台挨拶。そして上映後に監
督を交えたディスカッションというイヴェントを鑑賞した。
正直なところ、全13回の内の第1回と第2回しか見ていない
のだし、その2回分もこの記事をホームページにアップする
頃には放送が終わっている。従って、いまさらここに何を書
いても仕方ないのだが、一応、記録しておきたい。
それで、その上映された2回分だが、実はこれが、これから
の物語を構築するであろう両極の登場人物の紹介に終始して
いて、結局これからどのような物語が展開するかもまるで解
からない。
でも、この作品には、何か描かれているものにものすごく引
かれるものを感じてしまう。確か『東京…』の時にも書いた
と思うが、今監督の作品というのは、僕が期待しているアニ
メーションとは違うのだけれど、それでも何か親しみやすさ
を感じてしまうのだ。
それで今回、イヴェントの中での発言をいろいろ聞いていた
のだが、実は、監督は筒井康隆のファンなのだそうで、その
辺で親しみが沸く理由が納得できた気がした。結局、この監
督には、宮崎や押井より「SFファン」に近い部分があるの
かもしれない。
なお、監督の発言の中で、いろいろなシーンの使い回しの話
が出てきて、その一部は『東京…』のプレスシートにも紹介
されていたものだったが、そのことでディジタルアニメーシ
ョンの有効性のようなことを力説していた。
でもこの使い回しは、手塚治虫が『鉄腕アトム』をアニメー

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02月14日(土)
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