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On the Production
by 井口健二
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■第56回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回は、1月27日(日本時間28日)に発表されたアカデミ
ー賞候補作の話題から。なおメインの部門については、他の
メディアでもいろいろ紹介されると思うので、ここでは僕が
興味を引かれた作品に関連した部門だけ報告する。    
 まず視覚効果賞候補は、第54回で予想した通り“The Lord
of the Rings”と“Pirates of the Caribbean”に加えて、
第3の候補には“Master and Commander”が選ばれた。  
 この第3の候補作品については、その後に試写を見たが、
1月31日付でも紹介したように、ホーン岬のシーンでのミニ
チュア撮影を始め、最近のディジタルFXとは違う視覚効果
の味わいがあり、選ばれて成程という感じがした。期待した
“Hulk”ではなかったが、まあ納得というところだろう。 
 なおこの3作は、メイクアップ賞候補にも一緒に選ばれて
いる。因にメイクアップ賞部門も予備候補は7作で、最終候
補に選ばれた3作の他には、“Cold Mountain”“The Last
Samurai”“Monster”と“Perter Pan”が挙げられていた。
 また、長編アニメーション作品賞候補も、第52回で予想し
た通り“Finding Nemo”と、他にはディズニーの“Brother
Bear”、そしてソニー・クラシックスが配給したフランス作
品の“Belleville Rendez-Vous”(アメリカ公開題名:The
Triplets of Belleville)が選ばれた。         
 またしてもディズニー対決の様相だが、実は、第3候補の
フランス作品の評価が極めて高く、昨年の『千と千尋』のよ
うな捉えられ方もされているようだ。しかし、今度ばかりは
ちょっと難しそうだ。                 
 さらに他の部門も見渡すと、“The Lord of the Rings”
は全11部門(他は、作品、監督、脚色、編集、作曲、歌曲、
美術、衣裳、音響ミックス)、“Master and Commander”は
全10部門(他は、作品、監督、撮影、編集、美術、衣裳、音
響編集、音響ミックス)、“Pirates of the Caribbean”は
全5部門(他は、主演男優、音響編集、音響ミックス)で候
補になっている。                   
 また“Finding Nemo”は他に、脚本賞と音響編集賞の候補
になり、“The Triplets of Belleville”も、他に歌曲賞の
候補になっている。                  
 この他、気になる作品では、昨年がチャンスだった外国語
映画賞には本国の推薦が得られず、候補にすらなれなかった
ブラジル映画“City of God”が、昨年度アメリカ公開され
たことで、今年は晴れて監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞の
4部門で候補になっている。また1月31日付で映画紹介した
“Big Fish”は、作曲賞の候補になっている。              
 以上が、今年のオスカーで気になる作品だが、先日のゴー
ルデングローブ賞でも、候補になった4部門の全てを受賞し
た“The Lord of the Rings”が、今度はどこまで受賞の数
を伸ばせるか。もし全11部門を制覇すると、これは『ベン・
ハー』『タイタニック』に並ぶ史上最多の記録となる。  
 発表受賞式は、2月29日(日本時間3月1日)の予定だ。
        *         *        
 以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。なお、今回
はかなりニュースの数が多いので、多少端折りながら紹介す
ることにする。                    
 まずは待望の情報で、『タイタニック』の歴史的な大ヒッ
トから6年、ついにジェームズ・キャメロン監督の次回作の
構想が公表された。                    
 “Titanic”以後のキャメロンの作品では、製作を担当し

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02月01日(日)
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