ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460235hit]
■マスター&C、殺人の追憶、LovelyR、ビッグ・フィッシュ、ハッピー・F、いつかきっと、ディボース・S、ペイチェック、グッド・ガール
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『マスター・アンド・コマンダー』
“Master and Commander The Far Side of the World”
『いまを生きる』のピーター・ウィアー監督が、ラッセル・
クロウの主演で描く19世紀初頭を背景にした海洋冒険作品。
パトリック・オブライエン原作の海洋シリーズの一篇で本邦
未訳作品の映画化。
1805年4月ブラジル沖、英国海軍のフリゲート艦サプライズ
号は、フランスの私掠艦アケロン号の動きを追っていた。こ
の時代、ナポレオン治世のフランスは、アメリカで建造され
た最新鋭艦を大西洋に投入、イギリスに遅れをとった海洋支
配を目指していた。
そのサプライズ号は、ラッキー・ジャックの異名を持つジャ
ック・オーブリー艦長の下、数々の戦果を挙げていた。そし
てその艦には、博物学者でもある軍医マチュリンや、弱冠12
歳で士官候補生として乗り組むウィル・ブレイクニー少年ら
の姿もあった。
しかし装備、船足共に劣るサプライズ号は、アケロン号から
の度々の襲撃にも策略を巡らして窮地を脱するしか術が無か
った。それでも彼らは追跡を続け、ホーン岬を廻って太平洋
へ。そして、イギリス捕鯨船団が補給基地とするガラパゴス
島でアケロン号撃破の策を練る。
アメリカではフォックスが配給したが、日本はブエナ・ヴィ
スタ配給。昨年の『パイレーツ・オブ・カリビアン』に続く
海洋ものということで、ついでに主人公の名前がジャックで
同じというのも、良い感じだ。
いわゆるチャンバラシーンは後半に多少ある程度だが、それ
までにいろいろ巡らされる策略や、その時の艦内の様子など
が活き活きとして面白く、2時間19分の上映時間はむしろ短
く感じられたほどだった。
ウィアー監督は、今まではどちらかというと人間ドラマで評
価されていたと思うが、アクションも見事なもの。しかもそ
こに、上に立つものとしての非情さなどの人間ドラマが描か
れるのだから、正に鬼に金棒という感じだ。
また、軍医役のポール・ベタニーが、『ビューティフル・マ
インド』でも共演したクロウと息の合ったコンビネーション
を見せている。因に原作は、この2人、オーブリーとマチュ
リンが主人公のシリーズのようだ。
実写を織りまぜているというホーン岬の嵐のシーンも見事だ
ったし、また劇映画では初めてというガラパゴス島に上陸し
て撮影されたシーンも効果的だった。
『殺人の追憶』(韓国映画)
1986年から91年にソウル近郊の農村で発生した連続婦女暴行
殺人事件。今だに未解決のこの事件を描いた刑事ドラマ。
ソウル近郊の農村で暴行されて殺された女性の遺体が発見さ
れる。地元警察の刑事がその捜査に当るが、現場の保存や鑑
識の手配もままならない。そして第2の事件が発生、同一犯
による連続殺人と見なされたこの事件の捜査に、ソウル市警
の刑事が派遣されてくる。
派遣された刑事は、警察署に来て早々に過去の失踪事件の書
類の中から最初の犯行を割り出し、その被害者の遺体を見つ
け出す。書類からのプロファイリングで事件に迫る都会の刑
事。その働きに地元の刑事の焦燥が募る。
しかし自分の勘だけに頼って犯人を割り出そうとする地元の
刑事は、昔ながらの拘束拷問という手法で目星をつけた男の
供述を引き出すものの、誤認逮捕の失態を繰り返す。こうし
て2人の刑事は、確執を持ちながらも徐々に真相に近付いて
行くが…。
実際の事件、しかも未解決の事件を描くと言うのは、かなり
微妙な問題を含むと思うのだが、この作品では、ユーモアや
謎解き、推理を巡らす展開を織り込んで、見事にエンターテ
インメントに仕上げている。
もちろん当事者にとっての評価は別になるだろうが、第三者
としてみる目には良くできた物語だ。偶然の重なりはいくつ
[5]続きを読む
01月31日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る