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On the Production
by 井口健二
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■幸せになるための・、エル・アラメイン、ニューオーリンズ・トライアル、25時、みんなのうた、グッバイレーニン、ニュータウン物語
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『幸せになるためのイタリア語講座』
“Itailiensk for Begyndere”
デンマークを中心に活動する映画グループ・ドグマの作品。
芸術映画の指向の強いドグマ作品では、『しあわせな孤独』
などを先に紹介しているが、本作はドグマ作品の中では判り
やすいというか、良くできたアンサンブル・ラヴ・ストーリ
ーだった。
アンサンブル・ラヴ・ストーリーも、先にイギリス製の『ラ
ブ・アクチュアリー』を紹介したが、あれほど大掛かりでは
ないが、この作品も巧くまとめられていた。
主人公たちは、デンマークのとある町に暮らす6人の男女。
男性は、横暴な牧師の代りに町の教会にやってきた代理神父
と、その神父が仮住まいにするホテルのフロント係の中年男
性、そしてそのホテルが経営するサッカー場のレストランを
任されていたがくびを言い渡される元サッカー選手。
女性は、アル中の母親と暮らしながら元サッカー選手と出会
う美容師と、生き別れの母親がイタリアにいると聞きその地
に憧れている無器用なパン屋の店員、そしてレストランの料
理人でフロント係に思いを寄せているイタリア人女性。
彼らが、さまざまな理由で市主催のカルチャースクールのイ
タリア語講座に集まり、そして恋が芽生えて行く。それぞれ
の物語は、別にイタリア語講座はなくても良いのだが、会員
不足で存続の危うい講座を中心に、いろいろな出来事が起き
るという展開だ。
それがちょっと切なかったり、行き違いがあったり、主人公
たちはいい加減若くもないのだから、もう少ししっかりしろ
と言いたくなるが、自分がその立場だったら、多分同じよう
なことをしてしまうだろうと思わせる。そんなところが愛し
い作品だった。
『炎の戦線エル・アラメイン』
“El Alamein la linea del fuoco”
第2次世界大戦ヨーロッパ戦線の激戦地の一つで、ドイツ軍
ロンメル将軍と英国軍モントゴメリー将軍が対峙した北アフ
リカ、エル・アラメインの戦いを描いたイタリア映画。
イタリア軍の侵攻で始まった北アフリカの戦線には、当然イ
タリア軍もいたのだが、非力な軍隊は結局ドイツ軍の指揮下
に編入され、圧倒的な兵力を持つイギリス軍に対しては、ほ
とんど捨て駒のように扱われてしまう。
昼間の炎天下では気温50度を超え、夜は零下になるという過
酷な気象条件の下、弾薬や武器、食料、水の補給もほとんど
なく、一貫しない指令に従って砂漠を北へ南へと彷徨する彼
らの行き着く先は、無名戦士の墓所しかない。
元々が反戦思想で描かれた作品だから、それなりの誇張はあ
るのだろうが、それにしても悲惨な有り様で、中で何箇所か
描かれる息抜きのシーンには、本当にほっとさせられた。逆
に言うと、そのくらいに戦いのシーンの緊張感は巧く描かれ
ていた。
なお、その息抜きシーンで、主人公たちが全裸になり海岸で
はしゃぐ場面の2カットが映倫の指摘を受けているそうだ。
公開では修正が入ることになるようだが、抗議運動も起きて
いる。このような修正はかえってグロテスクにしてしまうだ
けのようにも思えるが。
『ニューオーリンズ・トライアル』“Runaway Jury”
ジョン・グリシャム原作『陪審評決』の映画化。
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12月16日(火)
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