ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■シービスケット、ニモ、ガーデン、すべては愛のために、ケイティ、戀之風景、気まぐれな唇、アンダーワールド、マトリックス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介します。       ※
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『シービスケット』“Seabiscuit”           
大恐慌時代のアメリカで、一般民衆に夢を与え続けた競争馬
シービスケットと、その馬に関わった3人の男の姿を描いた
ベストセラーの映画化。                
西海岸で最大の自動車ディーラーになりながらその自動車に
家族を奪われた男と、自動車の発達で仕事を失った荒馬の調
教師、そして大恐慌のために家族が離散したジョッキーの若
者。この3人が1頭の馬を巡ってドラマを作り上げる。  
時代も違えば国も違うこの物語には、正直に言ってピンと来
ない部分はある。しかし、かろうじてハイセイコーを記憶し
ている僕には、西海岸の田舎競馬(地方競馬)から東海岸の
名門レース(中央競馬)に乗り込んで行く話は理解できた。
レースシーンは迫力があるし、特に前半のティファナ競馬の
様子は、まるで馬上の格闘技と言いたいくらいの激しさで、
こんな時代もあったんだと認識を新たにした。その辺は面白
いし、競馬を知る人にはもっと楽しめるかも知れない。  
それからナレーションで、アメリカが不況から脱出できたの
は、公共事業のおかげではなく、人々が希望を持ち続けたか
らだったという言葉には激しく同意。この言葉を、人々の希
望を蔑ろにしてバカな経済政策ばかり続ける今の日本の施政
者たちに聞かせたいと思った。             
                           
『ハリウッド的殺人事件』“Hollywood Homicide”    
ハリスン・フォード、ジョッシュ・ハートネットの共演で、
ハリウッドを舞台にした警察コメディ。         
僕自身、昔は毎年行っていたハリウッドももう10年以上ご無
沙汰になってしまった。その間、ずいぶん風景も変ってしま
ったようだが、それでも、見覚えのあるビルなどが登場する
と嬉しくなる。そんな映画ファンのための映画と言える。 
ハリウッドのクラブでミュージシャンが殺される。目撃者も
発見できないこの殺人事件の捜査を、不動産屋を副業とする
ヴェテラン刑事と、自宅でヨガ教室を開き俳優を夢見る新米
刑事が担当することになる。              
これに、怪しげな超能力者を自称する占い師や、邸宅の売却
を希望する老映画プロデューサー、さらに主人公に敵意を持
つ内部査察官などが絡んで、大混乱のドラマが展開する。 
まあ、ハリウッドという土地のイメージは、アメリカでもこ
んなものだということを、次から次へと見せてくれる。それ
が楽しめればいいのではないか、そんな感じの作品だ。特に
後半のカーチェイスなどは、見事にアメリカそのものという
感じだった。                     
推理ドラマとしてはちょっと荒っぽいが、最後にはそれなり
にハードなアクションもあって、フォードもまだ健在という
ところ。でも、彼ももう61歳なのだと思うと、時代の流れを
感じてしまうところでもあった。            
                           
『ファインディング・ニモ』“Finding Nemo”      
ディズニー=ピクサーの最新作。アメリカでは、本年度興行
No.1がほぼ決定のようだ。               
卵の孵化を待っていたカクレクマノミの夫婦の住処が肉食魚
に襲われ、妻と大半の卵を喰われてしまう。しかし1個だけ
残った卵を父親が育て上げる子育ての物語。       
『チャーリーと14人のキッズ』も男の子育ての話だったが、
今、正にアメリカの目がそこに向いているということなのだ
ろう。そういう時流の掴み方に、この作品の成功の第1の鍵
があったようにも感じた。               

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11月02日(日)
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