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On the Production
by 井口健二
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■第50回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回は意外な展開となったこの話題から。
ちょうど1年前の第26回で紹介した70年代の人気テレビシ
リーズ“The Six Million Dollar Man”(600万ドルの男)
の映画化の計画で、主演をジム・キャリーとし、コメディタ
ッチで映画化する計画が発表された。
元々この計画は、2年程前から、マーティン・ケイディン
の原作“Cyborg”の映画化権を購入したディメンションと、
テレビシリーズに基づく権利を所有するユニヴァーサルとの
間で共同製作による計画が進められていたものだが、1年前
の報告ではトレヴァー・サンズという若手作家の脚本が採用
され、サンズの監督で映画化するものとされていた。また製
作には、ケヴィン・スペイシーが主宰するプロダクションが
参加し、スペイシーの主演も期待されていた。
しかしこの計画は結局キャンセルされたようで、新たに、
キャリーの主演と、今年2月に公開されて最終的に7500万ド
ルの興行を記録したウィル・フェレル主演のコメディ“Old
School”を手掛けた監督トッド・フィリップス、脚本スコッ
ト・アームストロングのコンビの起用が発表されたものだ。
因に経緯は、キャリー側からテレビシリーズに基づくアク
ションとコメディを結合するアイデアが先に提出され、これ
によりキャリーの主演が決まった時点で、フィリップスとの
契約が結ばれたということだ。
それにしても、『600万ドルの男』のコメディ化とは大胆
な計画が建てられたものだが、ユニヴァーサルとしてはこの
夏の『ハルク』がちょっと期待外れの結果に終ったことで、
真面目な映画化には躊躇があったのかも知れない。また、い
ずれにしても映画化にはかなりの製作費が見込まれることか
ら、キャリーの主演とすることで、ある程度の興行が保障さ
れるという効果はあるようだ。
ただし、フィリップスとアームストロングは、現在はディ
メンションで、1960年にイギリスで製作されたコメディ映画
“School for Scoudrels”という作品のリメイク計画に携わ
っており、それが終了次第、本作の脚色に取り掛かるという
ことだ。
一方、キャリーも、現在はチャーリー・カウフマン脚本の
“Eternal Sunshine of the Spotless Mind”の撮影が終っ
て、ブラッド・シルバーリング監督の“Lemony Snicket's A
Series of Unfortunate Events”の準備中、その後には、
前回紹介した“Fun With Dick and Jane”の撮影が控えてお
り、今回の計画が実現するのは、来年の秋ごろになるという
こと。この分では公開は05年夏になりそうだ。
なお、フィリップスとアームストロングは、ワーナーとデ
ィメンションの共同製作で、これも70年代の人気テレビシリ
ーズ“Starsky & Hutch”を、ベン・スティラーとオーウェ
ン・ウィルスンの共演でコメディ映画化する計画にも参加し
ているようだ。
* *
もう1つジム・キャリーの情報で、リヴォルーションが製
作する“The Hypnotist”という作品に主演する計画が発表
されている。
この作品は、スティーヴン・スピルバーグの監督、トム・
ハンクス、キャサリン・ゼータ=ジョーンズ共演で撮影中の
“Terminal”の脚本家サシャ・ジャヴォージが発表した脚本
を映画化するもので、お話は、世界的に著名な催眠術師が、
ある日突然その力を失い、それを回復するためには、女性に
求愛して恋に落ちなければならなくなるというもの。
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11月01日(土)
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