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On the Production
by 井口健二
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■第49回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回はこんな話題から。
1930年代から、第2次世界大戦の戦前戦後を通じて活躍し
たコメディ・チーム“The Three Stooges”(3ばか大将)
の再映画化の計画がワーナーから発表された。
『3ばか大将』は、主にモー、ラリー、カーリーの3人を
中心に展開される典型的なスラップスティックコメディで、
60年代には約190本の往年の2巻物の短編作品がテレビにも
登場して人気を博していた。しかし93年、52年に早世したカ
ーリーの跡を継いだジョー・デライタが最後のStoogesとし
て死去し、その歴史は閉じたのだが、それと同時に彼らの業
績を見直す動きも出ていたようだ。
そして今回の計画は、98年にキャメロン・ディアス主演に
よる『メリーに首ったけ』などを手掛けたボビー&ピーター
・ファレリー兄弟の脚本、監督で再映画化を進めるもので、
兄弟は、『メリー…』を製作する以前の97年頃から、すでに
この計画を公表し、チャンスを狙っていたものだ。因に、こ
の計画にはデライタの遺族も参画しているようだ。
しかしこの映画化権については、元々The Three Stooges
の作品の版権はコロムビア=ソニーが所有しており、一方、
ファレリー兄弟はフォックスと優先契約を結んでいるために
実現が困難となっていた。ところが、ソニーが諸般の事情で
映画化を断念し、それをワーナーが引き継ぐことになった。
そしてファレリー兄弟には、2001年にクリス・ロック主演で
ワーナーで製作された“Osmosis Jones”を手掛けたなどの
実績もあって、計画が実現可能となったものだ。
なお兄弟は、今年の冬から春にかけて脚本家のマイク・セ
ローネと共にThe Three Stoogesの3人のキャラクターを現
代に甦らせた脚本を完成させており、つまり今回の発表は、
その脚本に、ワーナーから正式にゴーサインが出たというも
のだ。またワーナーの発表では、撮影は来年早期に行われ、
公開は05年夏とされている。
正直なところ、僕は『3ばか大将』には、同様のコメディ
チームの『マルクス兄弟』などより過激で暴力的だった印象
を持つが、アメリカでの人気はかなり根強いようだ。その感
覚が現代にどう甦るかも気になるところだ。因に映画化は、
伝記ではなく、当時のThe Three Stoogesのキャラクターを
再現したフィクションの映画になるということだ。
* *
続いては続編の情報。
まずはヴィン・ディーゼルの主演でヒットした『XXX』
の続編にディーゼルは出演せず、替って同じく黒人スターの
アイス・キューブが主演。また監督を、ロブ・コーエンに替
って『ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリが担当する
ことが発表された。
この続編に関しては、ディーゼルがオリジナルの製作まで
勤めた作品であるだけに、彼の再演が期待されていたものだ
が、実は“XXX 2”と名付けられている続編の脚本が、オリ
ジナルのようなEXスポーツを背景と言うよりも、ワシント
ンが舞台のスリラー的要素の高いものに出来上がったという
ことで、敢えてディーゼルは主演を降り、コミカルからシリ
アスまでこなせるキューブの配役を決めたということだ。
なお、物語の基本コンセプトでは、「XXX」というのは
アメリカの刑法で3回罪を犯すと重罰に処すという3ストラ
イク制度に由来したもので、今回のキューブの役柄もその3
度目の罪を犯して、刑務所に入るかエージェントになるかの
選択を迫られるという設定。その辺でシリーズとして、まっ
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10月15日(水)
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