ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460331hit]

■第47回
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 まずは訂正というか、続報から。           
 前回、イギリス人俳優抜擢の噂を紹介した“Batman 5”の
計画で、ワーナーから公式に、次回作の主演俳優決定の発表
があった。発表されたのは、クリスチャン・ベイル。来年ク
リストファー・ノーラン監督で撮影される第5作の主演は、
イギリス出身で、30歳以下の俳優では現在最も注目を浴びて
いるというアイドルスターの起用に決まったようだ。   
 ベイルは、今春公開された『サラマンダー』にも主演して
いたが、元々はスティーヴン・スピルバーグ監督の87年作品
『太陽の帝国』の主演に13歳で抜擢されて脚光を浴び、賛否
両論の巻き起こった00年の『アメリカンサイコ』では陰影の
ある演技で高い評価を受けている。           
 そして今回の起用でも、主人公ブルース・ウェインの明る
い面と陰の面をバランスよく演じられる俳優として期待され
ているものだ。なお監督のノーランは、「クリスチャンの中
にブルースの具現化を見た」と期待の度合いを語っている。
 この役柄は、映画シリーズでは過去に、マイクル・キート
ン、ヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニーが配役されて
いるが、いずれも30代後半の頃に演じており、来年30歳のベ
イルはかなり若いことになる。そこに二面性のある演技とい
うのだから、これはかなり期待されているし、また自信もあ
るということだろう。                 
 デイヴィッド・ゴイヤーの脚本、ノーランの監督で、撮影
は来年早期に開始され、公開は05年の予定になっている。 
        *         *        
 お次は、前回“The Last Samurai”の記者会見を報告した
トム・クルーズの新たな計画が発表されている。     
 今回発表されたのは“The Few”という題名で、第2次世
界大戦の中で最初に撃墜死したアメリカ人パイロットを史実
に基づいて描くもの。クルーズにとっては『トップ・ガン』
以来のパイロット役への挑戦となるものだ。       
 物語の主人公はビリー・フィスク。オリンピック代表選手
で、アメリカ軍の戦闘機パイロットでもあった彼は、一方で
アメリカ人とイギリス人のハーフという血筋もあり、1940年
のチャーチルの呼びかけに応えて、若いパイロットのグルー
プを率い義友軍としてイギリスに渡る。それはまだアメリカ
が参戦を決意する前の出来事だった。          
 監督は、現在クルーズと10月撮影開始の“Collateral”を
準備中のマイクル・マン、脚本は、“The Last Samurai”お
よびマン監督で製作中の“The Aviator”も手掛けているジ
ョン・ローガン。ただし戦史作家のアレックス・カーショウ
が執筆する原作はまだ未完成で、実現するのは少し先のこと
になりそうだ。またローガンも“Gladiator 2”の次に取り
掛かりたいとしている。                
 製作は、マン監督主宰のフォワード・プレスとクルーズ−
ワグナー(C−W)、配給はC−Wと優先契約を結んでいる
パラマウントが予定されている。            
        *         *        
 ところで、C−Wとパラマウントの間では、この発表に先
立ってもう1本、第2次世界大戦を描いた作品の契約が結ば
れている。                      
 その作品は“The War Magician”という題名で、第2次大
戦中の北アフリカを舞台に、ロンメル将軍と対峙するイギリ
ス戦闘部隊が、そこに現れた愛国心に溢れる手品師ジャスパ
ー・マスカリンのイリュージョンマジックによって戦果を納

[5]続きを読む

09月15日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る