ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■散歩する惑星、北京ヴァイオリン、二つの塔、クローサー、ロストイン、ノーグッド、レプリカントジョー、キャッチミー、ピノッキオ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介します。       ※
※一部はアルク社のメールマガジンにも転載してもらって※
※いますので、併せてご覧ください。         ※
※(http://www.alc.co.jp/mlng/wnew/mmg/movie/)   ※
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『散歩する惑星』“Sanger fran andra vaningen”    
スウェーデンの映画作家ロイ・アンダースンの2000年の作品
で、同年のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞している。 
プレスに載っている監督インタヴューを読むと、物語に脈絡
のない映画を目指したかったのだそうだが、映画はかなり明
確なメッセージを持った理解し易い作品になっている。しか
もそのメッセージは、僕には納得できるし共感してしまうも
のだった。                      
30年勤め上げたサラリーマンが突然リストラされたり、道に
迷った人が謂れのない暴力を振るわれたり、いろいろな不条
理な出来事のはびこる世界。お偉方は不毛の論議を続け、し
かも状況を打開する方策は見当たらない。        
そんな中で行われているのは、若者に因果を含めて死をもた
らす儀式。その後老人たちは良心の呵責にさいなまれている
風は見せるが、実際にはゴルフバックを頂点に膨大な荷物の
載ったカートを押して幸せの国への搭乗チケットカウンター
に先を争っている。                  
主人公の男は、営業していた自分の店に火を付け、本当は放
火の罪を負うはずだったが、上手く行き過ぎて罪にもならず
保険金を得てしまう。しかし2人の息子の1人は本人の優し
さゆえに心の病に侵されている。            
そして主人公の前に、借りた金を踏み倒していた友人の霊が
現れる。主人公は前非を悔いているのだが、最早死んでしま
った友人に金を返す手段がない。その内、因果を含められて
殺された少女など、いろいろな霊が彼につきまとい始める。
不条理劇といえば不条理劇だが、カリカチャライズされた政
治や風俗は、今の日本にはほとんどそのまま当てはまり、風
刺と言うより今の日本の現実を見せつけられているような感
じがした。                      
2000年当時のスウェーデンは、今の日本と同じような不況の
最中だったはずだが、その後は急速に景気が回復した。どこ
が日本と違ったのか、そんなこともちょっと考えさせられる
作品だった。                     
なお、原題のSaとfraとvaのaの上に丸が付きます。    
                           
『北京ヴァイオリン』“和你在一起”      
すでにハリウッド進出も果たした陳凱歌監督の02年作品。 
中国のとある田舎町。13歳のシャオチュンは料理人の父親の
男手一つで育てられてきた。              
彼は母親の形見というヴァイオリンを手に、人々の心に響く
演奏をする。そんな息子を連れて父親は北京の音楽院を訪ね
る。そこで少年は優秀な腕前を披露するが、北京に居住権が
ないために入学を断られる。              
しかし諦めない父親は、音楽院の教授に頼み込み、個人教授
を受けさせる。ところがその教授は、自分自身を見失った人
生の破綻者だった。この他、親子の周りには、娼婦まがいの
生活をしている女性や、いろいろな人生が巡っている。  
そんな環境の中で、少年はいろいろなことを学び成長して行
く。そしてその目標は、国際コンクールに中国代表として選
抜されることだったが…。               
音楽の国際コンクールでアジア系の若手音楽家が活躍を続け
ており、それを背景に中国でも音楽熱が高まっている。  
この物語も、そんな子どもの父親を描いた中国テレビのドキ

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02月02日(日)
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