ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460434hit]
■Sweet Sixteen、エルミタージュ幻想、トランスポーター、24アワー・パーティ・ピープル、ボーン・アイデンティティー
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介します。 ※
※一部はアルク社のメールマガジンにも転載してもらって※
※いますので、併せてご覧ください。 ※
※(http://www.alc.co.jp/mlng/wnew/mmg/movie/) ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『Sweet Sixteen』“Sweet Sixteen”
『ブレッド&ローズ』『ナビゲーター』に続いて今年3本目
のケン・ローチ監督作品。00年、01年ときて、本作は02年の
作品だ。
スコットランドの小さな町に住むリアムは15歳。天文観測と
サッカーの好きな少年だが、学校は自主退学し、親友のピン
ボールと共に町で煙草を売って金を稼いでいる。母親は刑務
所に収監中で、2カ月後の彼の16歳の誕生日の前日に出所す
る予定だ。
彼の夢は、母親と平穏な暮らしをすること。そのために彼は
いろいろな手立てで資金を集めようとする。そして狙ったの
が母親の愛人で粗暴な男スタンの隠し持つドラッグ。リアム
とピンボールはまんまとそれを盗みだし、売り捌いて母と住
む家の購入の頭金を作る。
しかし、勝手に商売を始めた少年たちに町のボスが目を付け
る。ところがボスの前に引き出されたリアムは、逆にボスに
気に入られ、やがてピザ配達を隠蓑にしたドラッグ商売で売
り上げを伸ばして、2カ月の間に大金を稼ぐ身分になるのだ
が…。
社会の底辺で暮らす人々を好んで描くローチ監督だが、この
少年の壮絶な生き方、そして母親に捧げる愛情の深さ、しか
しそれを裏切る母親の姿。また聡明でありながらシングルマ
ザーの主人公の姉と母親との確執、ピンボールの屈折した友
情など、キャラクターも鮮明で、これこそドラマという感じ
がした。
成り上がりのちんぴらが、結局、馬鹿をやって破滅して行く
のは、この手のドラマの定石ではあるが、本作では主人公の
心情が痛いほど理解できて、さすがカンヌで脚本賞を受賞し
ただけのことはあると感じた。
なお、台詞は強いスコットランド訛りで、英語のはずなのに
聴いていてもほとんど理解できない。カンヌで上映されたと
きにはイギリス映画に英語の字幕が付いたということで、本
国での上映の際にも、字幕を付けるかどうかで論議がされた
そうだ。
『エルミタージュ幻想』“Russian Ark”
サンクト・ペテルブルグのエルミタージュ美術館を舞台に、
そこで起きたいろいろな歴史的な出来事を再現した映像オデ
ッセイ。しかもこれを90分ワンカットという荒技で作り上げ
ている。
全く予備知識なしで観てしまったのだが、最初はロシア語の
なんとも気怠い感じのナレーション(監督のソクーロフが入
れたもので、カメラも彼の目となっており、全ては一人称で
語られる。)が、ちょっとうっとうしい感じだった。しかし
徐々に作品の意図しているところが判り始めてからは、結構
面白く見られた。
といってもロシアの歴史をよく知らないので、そこで起きて
いる出来事の意味が全部理解できている訳ではないのだが、
それでもエカテリーナ大帝や、ピョートル大帝などという名
前が出て来ると、なるほどと思ってしまう。
そして再現された舞踏会など、出演者は総勢2,000人。これ
が全員コスチュームを着け、90分ワンカットの中で入れ替わ
り立ち替わり演技をするのだから、そのなんと言うか壮大さ
みたいなものは良く感じられた。
[5]続きを読む
11月16日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る