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On the Production
by 井口健二
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■ニューヨークの恋人、プロミス、海は見ていた、ブレイド2、フューチャー、天国の口、銀杏のベッド、ガウディ、チョコレート
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介します。 ※
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『ニューヨークの恋人』“Kate & Leopold”
ヒュー・ジャックマン、メグ・ライアンの共演で、19世紀の
イギリス貴族が現代に現れ、キャリアウーマンと恋に落ちる
というファンタスティックコメディ。
1876年、没落しかかった公爵のレオポルドは、金持ちの花嫁
を探すためにニューヨークを訪れていた。しかし建設途中の
ブルックリン橋の前で不思議な行動をする男を発見し、その
夜、花嫁選考のパーティーで再びその男を見付けたレオポル
ドは、その男を追跡して、未来への時間の裂け目をくぐって
しまう。
こうして現代にやってきたレオポルドは、次の時間の裂け目
が開くまで、その男のアパートで暮らすことになるのだが。
その階下にはその男の元恋人で、今や宣伝会社のトップの座
を目前にしたケートが住んでいた。彼女は、今までに何度も
男に裏切られ、これからは仕事一筋に生きようとしていたの
だが…。
まあ、SFと言うよりはラヴロマンスだから、余り多くは期
待しないほうが良いが、それでも巻頭の19世紀のニューヨー
クが描かれたシーンはなかなかの出来で、これならジャック
・フィニーの『ふりだしに戻る』もそろそろ行けるのではな
いかという感じがした。もっともフィニーの場合はほとんど
のシーンが過去の場面だから、もっと大変になることは判る
のだが。
なお、現代に来たばかりのレオポルドが間違ってTVを点け
てしまうシーンで、画面に出てくるのが『プリズナーNo.6』
(しかもオレンジ警報のシーン)というのがちょっと意外で
嬉しかった。
『プロミス』“The Promises”
パレスチナに暮らす子供たちの姿を追ったドキュメンタリー
作品。巻頭、1997年から2000年の比較的平穏だった時代に撮
影された、というコメントが入り、現実の厳しさが突きつけ
られる。
作品はイスラエル人、パレスチナ人双方の子供たちが述べる
意見が中心で、10歳台前半と思われる子供たちが大人顔負け
の歴史と文化に基づく主張を繰り広げる。しかもその何人か
は、実際に弟を殺されたり、投石抗争の当事者だったりする
のだから、いたたまれない気分になる。
映画ではその子供たちの何人かが互いに会うことを了承し、
パレスチナ人はイスラエル側に入ることが困難なため、イス
ラエル人の双子の兄弟がパレスチナ人のキャンプを訪れるこ
とになる。そして、ともに遊び、意見を述べ合い、そういう
交流をいつまでも続けることを約束するのだが…。
実際にはその2年後の取材で、パレスチナ人の少年(会見前
までは最も過激な意見を述べていた)からはイスラエル人の
双子にコンタクトがあるが、双子からは返事をしていないと
言い、しかもその理由がパレスチナ人に理解できないようだ
とも言う。
またユダヤ教の帽子を被って取材に応じていた別の少年は、
会見のときから参加を拒否し、パレスチナ人とは一切交渉は
しないと言い切る。やはりユダヤ教の帽子を被って、交渉は
大人に任せればいいのだと言う少年もいた。
アメリカ映画だから、どうしてもユダヤ寄りと思ってしまう
が、概してパレスチナ人の子供たち方が屈託がない。しかし
その子供たちが平然と武力抗争を唱える。
一方イスラエル人の子供の中には、会見に参加した双子のよ
うにユダヤ人らしく和平を望むものもいるが、ホロコースト
の歴史を引き摺って、頑なにユダヤ教の教えにすがっている
ものもいる。その根の深さが、問題の難しさを見事に表わし
ていると感じた。
アメリカでは昨年12月にテレビ放送された。それに合わせて
アメリカの配給会社がまとめたという9月11日までの歴史を
記した資料が試写会で配られ、勉強になった。
『海は見ていた』
黒沢明が最後に撮ろうとして出来なかった遺作脚本を、熊井
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06月02日(日)
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