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On the Production
by 井口健二
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■第16回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回はリメイクの話題から紹介しよう。
旧作と同じ物語を再度映画化するのがリメイク(remake)
の定義だと思うが、最近では旧作のキャラクターで新しい物
語を造り出すという形式の作品が増えている。これで物語に
一貫性があればシリーズということになるが、間隔が開いた
り、出演者や製作スタッフが違ってくると、シリーズとは呼
び難いこともある。
これに対して最近アメリカの報道でリドゥー(redo)とい
う言葉が目立つようになってきた。これなら、旧来のリメイ
クから、シリーズの再開、さらにテレビシリーズからの劇場
版映画化まで全てを対象にすることが出来るようだ。しかし
上記のようにカタカナ書きにすると何となく落ち着かないの
で、僕は当面リメイクという言葉で続けることにしたい。
ということで1本目は、僕は典型的なリメイクだと思うの
だが、アメリカの報道ではそうは呼ばれていないこの計画か
ら紹介しよう。
H・G・ウェルズ原作の“The War of the Worlds”(宇
宙戦争)をトム・クルーズの製作主演で映画化する計画が、
パラマウントから発表されている。『宇宙戦争』の映画化で
は、53年に公開されたジョージ・パル製作の作品が有名で、
このパル作品の製作会社もパラマウントだった。従って今回
の映画化は、このパル作品の正統なリメイクと言えるはずだ
が。今回の発表では、敢えてリメイクとは報告されていない
ようだ。
と言うのも、46年に亡くなったウェルズの死後50年以上が
経過して原作の著作権はすでになく、パル作品についても、
新作の製作が開始される予定の03年には、公開から50年が経
過して著作権が消滅するということで、敢えてリメイクを主
張する必要はなくなっている。とは言っても、マニアにとっ
てはリメイクであることは間違いない訳だが、実は今回の報
道では、パル作品に言及する替りに、38年のオースン・ウェ
ルズ演出のラジオドラマが紹介されていてちょっと奇異に感
じたものだ。
そこでちょっと穿って考えると、実はパル作品は映画の製
作当時を背景にした脚色になっており、これはある意味では
ラジオドラマのリメイクとも言えるものだった。そして今回
の発表で敢えてパル作品に触れないということは、もしかす
ると新作は、原作に描かれた通りの19世紀末ヴィクトリア朝
時代を背景にしたものになるのではないかという期待が沸い
てくる。
蒸気船が行き交うテムズ川を三本脚のウォーマシンが進ん
でくる、そんなパルの時代には不可能だった映像も、現代の
CGI技術を使えば可能になる訳で、新作にはそんな映画化
を期待したいものだ。そうでもしないと、単なる現代化では
先に『インディペンデンス・デイ(ID4)』もある。因に
『ID4』の結末で侵略者がコンピュータウィルスによって
倒されるのは、ウェルズの原作で風邪によって倒されること
を踏まえたものに他ならない。なお『ID4』の公開は96年
でウェルズの死後50年が経過していたものだ。
それから同じ原作の映画化では、昨年イギリスで企画が進
んでいたという情報もある。情報ではいろいろ準備も進んで
一部撮影も行われていたようだが、実は01年9月11日の事件
に絡んで、製作を自粛することが発表されてしまった。その
後この計画はどうなっているのだろうか。
* *
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06月01日(土)
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