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On the Production
by 井口健二
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■トモダチゲーム−劇場版FINAL−、じんじん〜其の二〜、シンクロナイズド・モンスター、セブン・シスターズ
(米澤穂信原作の学園ミステリー「古典部シリーズ」第1話
の映画化。信頼する姉の指示で廃部寸前の「古典部」に入部
した高校新入生の主人公が、先に部室に居た女子生徒と出逢
い、彼女が提示する謎を持ち前の推理力で解いて行く内に、
過去の「古典部」に起きた伝説の出来事を紐解いて行く。基
本的に殺人などの大げさな話ではないが、1970年前後の学園
紛争時代を体験している自分には懐かしさも感じられる作品
だった。出演は、山崎賢人、広瀬アリス、本郷奏多、小島藤
子、岡山天音。今旬な若手の共演になっている。脚本と監督
は、2013年11月紹介『バイロケーション』などの安里麻里。
本作もトリッキーな話だが、それを巧みに映像化している。
公開は11月3日より全国ロードショウ。)
『ALL EYEZ ON ME』“All Eyez on Me”
(1996年に路上で銃撃され、25歳で亡くなったラッパー2PAC
ことトゥパック・シャクールを描いた伝記映画。ジャクール
は元々母親が黒人過激派ブラックパンサーの一員だったそう
で、そんな家庭環境の中でラッパーを志して1991年にソロデ
ビュー。その過激な社会派の歌詞内容で一躍スターダムにの
し上がる。その後は映画にも出演するなど華々しい活躍とな
るが、レコーディング中にスタジオに押し入った強盗に5発
の銃弾を受けるなど、壮絶な人生を歩むことになる。出演は
父親が2PACのアルバムに参加したという俳優のディミートリ
アス・シップ Jr.。監督はヒップホップ系の短編などを数多
く手掛けるベニー・ブームが担当した。公開は12月より、東
京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)
『シネマ歌舞伎 四谷怪談』
(歌舞伎の舞台を映画館で手軽に楽しめる「シネマ歌舞伎」
の第28弾。「シネマ歌舞伎」は2012年2月に『高野聖』など
も紹介しているが、本作は歌舞伎座ではなく1994年から渋谷
のシアター・コクーンで上演されている「コクーン歌舞伎」
の模様が収録されている。従ってこの舞台では、かなり斬新
な演出も登場するもので、それは作品を見てのお楽しみだ。
内容は鶴屋南北原作の古典的なものだが、本来のお岩=伊右
衛門の物語ではなく、お袖=権兵衛が中心とされており、そ
の点でも目新しい感じがした。出演は、中村獅童、中村勘九
郎、中村七之助。他に笹野高史、大森博史、バレエダンサー
の首藤康之など、「コクーン歌舞伎」特有の異色キャストも
登場する。公開は9月30日より、全国ロードショウ。)
『永遠のジャンゴ』“Django”
(第2次大戦前後のヨーロッパで活躍したギタリスト、ジャ
ンゴ・ラインハルトを描いた伝記映画。ロマ(ジプシー)の
ジャンゴはナチスからの迫害を受け、その中での様々な出来
事が描かれる。ナチスの迫害というとユダヤ人に対するもの
が主だが、ロマに対する迫害も相当だったもので、本作では
その実態が明らかにされる。また劇中では、ラインハルトが
作曲した「黒い瞳」を始めとする数々の名曲も演奏され、そ
の超絶なテクニックのギター演奏を再現したシーンも含めて
素晴らしい音楽映画にもなっている。監督は2013年『大統領
の料理人』などの脚本を手掛けたエチエンヌ・コマールのデ
ビュー作。公開は11月25日より、東京はヒューマントラスト
シネマ有楽町他で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。

08月27日(日)
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