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On the Production
by 井口健二
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■ハル・ハートリー、黒執事、神奈川芸術大学映像科研究室、ゼウスの法廷、マイティ・ソー2、トップ・オブ・ザ・レイク、オッド・トーマス
が待ち受けて、それは見事なドラマだった。
本作は1月10日に、DVDのセル&レンタルでリリースされ
る。
『オッド・トーマス』“Odd Thomas”
アメリカのSF/ホラー作家ディーン・クーンツが2003年か
ら発表している「オッド・トーマス」シリーズの第1作を、
『ハムナプトラ』シリーズ第1作、第2作や2004年『ヴァン
・ヘルシング』などを手掛けたスティーヴン・ソマーズ監督
が映画化した作品。
主人公は霊魂が見えてしまう青年。その霊魂は声を発するこ
とはできないが、彼を殺人の現場やその犯人の許に導くこと
ができる。そして彼はその犯人を警察に通報し、彼の能力を
信じる署長は何度も手柄を挙げていた。
そんな彼はまた別の存在も見ることができる。それは人の死
が近い時にその人物の傍に屯して、その苦痛を糧にしている
悪霊だ。ところがその悪霊が彼に住む街に大量に集結してく
る。これは最大級の災害の予兆だった。
しかしその場所や手段が判らない。このため彼は恋人や予知
夢を見る友人の助けを借りて、災害を未然に防ぐべく奔走を
始めるが…。次々に集結する悪霊の数はどんどんその数を増
していた。
出演は、『スター・トレック』の新シリーズでチェコフ役の
アントン・イェルチン、今年9月紹介『ミッドナイト・ガイ
ズ』などのアディソン・ティムリン、サム・ライミ版『スパ
イダーマン』などのウィレム・デフォー。
他に、2002年6月紹介『ブレイド2』に出ていたというレオ
ノラ・ヴァレラ、テレビドラマ『ドクター・フー』にレギュ
ラー出演のググ・バサ=ローらが脇を固める。
なおソマーズの映画監督は、2009年『G.I.ジョー』以来とな
るもので、本作では脚本、製作も担当している。
また本作を彩るVFXは、2012年12月紹介『ライフ・オブ・
パイ』なども手掛けたBUFが担当しており、かなりの物量
の映像を披露しているものだ。
死が近い人の傍に現れる悪霊ということでは、今年11月紹介
『赤々煉恋』を思い出したが内容的にはかなり異なる。でも
まあこういう発想は人間の精神の根底にあるものなのかな。
ただしその悪霊の出現から想起される死の状況は、日米では
かなり違う発想で、その辺には興味深いものがあった。
因にクーンツはかなり多作の作家だが、本作の原作シリーズ
では映画化された第1作に続く5作がすでに発表され、第7
作も予告されているとのことで、作者最大のヒットシリーズ
のようだ。映画の続編にも期待したい。
公開は1月10日から、東京は新宿バルト9、大阪は梅田ブル
ク7他にて全国ロードショウとなる。
なお今回データベースを調べたら、ソマーズ監督には2005年
9月15日付で紹介した“When the Worlds Collide”(地球
最後の日)のリメイクがまだアナウンスされていた。その他
の計画は掲載されていなかったが、一時消滅していた計画が
復活しているようで、地球最大の災厄を描くリメイク作品に
も期待したいものだ。
12月15日(日)
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