ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460050hit]

■初めての告白、オブリビオン、アイアン・フィスト、エンド・オブ・Wハウス、G.I.ジョー2、欲望のバージニア、マーヴェリックス、宿命
湧いてくる作品でもあった。そして物語は、現代の若者にも
語り継がれる早世したサーファーの実話に基づいており、エ
ンディングには本人の映像も登場する。
出演は、メジャー映画には初登場のジョニー・ウェストンと
『エンド・オブ・ホワイトハウス』などのジェラルド・バト
ラー。バトラーは製作も兼ねての出演だ。
他に、昨年10月紹介『ボディ・ハント』などのエリザベス・
シュー、昨年3月紹介『ブラック&ホワイト』に出ていたと
いうアビゲイル・スペンサー、昨年7月紹介『ハンガーゲー
ム』に出ていたというリーヴェン・ランビンらが脇を固めて
いる。
脚本は、俳優出身で脚本家としてはエミー賞テレビ部門の受
賞経験もあるカリオ・セイラム。なお物語には、若者の師匠
であったサーファーのフロスティ・ヘッソンら関係者の協力
もクレジットされていた。
監督は、1997年『L.A.コンフィデンシャル』でオスカー受賞
のカーティス・ハンスンと、2011年1月紹介『アメイジング
・グレイス』などのマイクル・アプテッドが共同で当ってい
る。

『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』
“The Place Beyond the Pines”
2011年1月紹介『ブルーバレンタイン』のデレク・フランシ
ス監督による最新作。
物語は3部構成で、巡業サーカスのアクロバット走行が稼業
だったがある事情で町に定住を決めた天才ライダーと、その
町の腐敗しきった警察組織に立ち向かった警官、そして15年
後の彼ら2人の息子たちを巡る物語が展開される。
ただしライダーは犯罪者に身を落とし、彼を追った警官には
大きなトラウマが負わされことになる。そしてそんな親の関
係を知らない息子たちは友人同士になるものの、そこにも暗
い影が覆い被さってくる。
出演は、『ブルーバレンタイン』に続けてのライアン・ゴズ
リングと、昨年12月紹介『世界にひとつのプレイブック』で
オスカー主演男優賞候補になったブラッドリー・クーパー。
『ワイルド・スピード』シリーズなどのエヴァ・メンデス。
さらに『アメイジング・スパイダーマン』の続編でのハリー
・オズボーン役が決まっているデイン・デハーンと、テレビ
ドラマ『SMASH』などのエモリー・コーエン。
他に、2011年11月紹介『アニマル・キングダム』などのベン
・メンデルゾーン、2008年3月紹介『リボルバー』などのレ
イ・リオッタ、テレビドラマ『4400』などのマハーシャラ・
アリらが脇を固めている。
因果応報でもないし、壮大でもないけれど、正に宿命という
感じの人間模様。これこそがフィクションの面白さと言える
見事な人間ドラマが描かれていた。そしてそれが映画の醍醐
味とも言える作品だった。
しかも撮影にはかなりの長回しが多用され、それが生み出す
緊張感も物語の緊張感に繋げられている。そんな現実的な感
覚に観客も引きずり込まれてしまうような、そんな感じのす
る作品でもあった。
本当の映画を観たい人にはぜひお勧めしたい作品だ。

04月30日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る