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On the Production
by 井口健二
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■オース!バタヤン、スタンリーのお弁当箱、ジャックと天空の巨人、インポッシブル、容疑者X、DRAGON BALL Z、隣人、旅歌ダイアリー
るが、息子のことが心配な彼女は街で無線式の音声モニター
を購入し、息子の寝室に仕掛ける。
ところがその無線が混戦し、受信機に別の部屋の音声が入り
始める。そしてその音声から幼い子供が虐待されていると判
断した彼女は、アパートから運び出される黒い袋に疑いを持
つが…
出演は、2009年10月紹介『ミレニアム』(スウェーデン版)
や、昨年1月紹介『シャーロック・ホームズ:シャドウ・ゲ
ーム』などのノオミ・ラパスと、上の作品にも出演のクリス
トファー・ヨーネル。
物語にはかなり捻りがあるが、現時点で鑑賞すると多少既視
感が伴われる。それにその設定だと、多少辻褄があっていな
いような感じがして、それも気になったところだ。ただ街頭
の風景などには、かなり趣は感じられた。
2本並べて観ると、個人的には前者の衝撃に比べると、後者
はちょっと物足りない感じもしたが、シュレットアウネ監督
が、1997年に映画祭で観た作品も含めて注目すべき映画作家
であることは間違いないだろう。
今後も紹介してもらいたいものだ。
『旅歌ダイアリー』
昨年の紅白歌合戦に出場し、サッカー好きのミュージシャン
としても知られるナオト・インティライミが、世界に旅した
記録を綴ったドキュメンタリー。
元々ナオト・インティライミは、デビュー以前に515日を掛
けて世界28カ国を旅した経験があるそうで、その体験からこ
の作品は企画されたようだ。そして本作では、アフリカ・エ
チオピアと、南米のコロンビア、カリブ海のトリニダード・
トバゴに向かう旅が描かれる。
その最初の旅では、エチオピアの荒野で3万年間同じ生活を
しているという部族の村を訪れ、厳しい行程に体調を崩しな
がらも、村人たちと交流したり、村の子供たちとサッカーを
する姿が描かれる。
また次のコロンビアの旅では、8年前の1人旅で知り合った
ミュージシャンとの交流を復活させて、現地のライヴハウス
でのパフォーマンスや、人気歌手のライヴコンサートの様子
に打ち上げパーティでのパフォーマンス。
そして今年2月のカーニヴァルの期間に訪れたトリニダード
・トバゴでは、現地の人気歌手に体当たりで交流を深め、つ
いにはその歌手が乗り込むカーニヴァルの山車に同乗しての
パフォーマンスの様子などが撮されている。
ナオト・インティライミは、確か一昨年の平塚競技場で行わ
れたエキビジションマッチに、芸能人サッカーチーム・スワ
ーヴスの一員として来場したり、最近も旅番組で音楽とサッ
カーボールがあれば誰とでも交流できると話しているなど、
サッカーファンとしては気になる存在だった。
そのため本作も興味津々で観に行ったものだ。その作品は、
出色の出来というほどではないかもしれないが、どのような
事態でも正に体当たりで、常に前向きに挑戦して行く姿に、
感動的というか、何か活力を与えられてしまう感じもしたも
のだ。
もちろんそこにはミュージシャンの特権のようなものもあり
はするが、思い通りにいかなかった時にも、何時かいい日は
巡ってくると信じる姿と、実際にそのようになって行く素晴
らしさは、ドキュメンタリーとしても優れた作品と言える。
監督は、2011年『モテキ』の編集を手掛けて日本アカデミー
賞最優秀編集賞を受賞、本作がデビュー作となる石田雄介。
特にライヴシーンを捉えた映像は見事と感じられた。
03月20日(水)
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