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On the Production
by 井口健二
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■ベラミ、さよならドビュッシー、サイレント・ハウス、カルメン故郷に帰る、アルバート氏の人生、君と歩く世界、チチを撮りに、PARKER
英里紗と、妹役には2008年7月紹介『ブタがいた教室』に出
ていた松原菜野花、そして母親役を今年11月紹介『タリウム
少女のプログラム』などの渡辺真起子が演じている。
他に、昨年3月紹介『それでも花は咲いていく』などの滝藤
賢一、2007年1月紹介『バベル』に出演の二階堂智、2010年
8月紹介『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』に出ていた
子役の小林海人らが脇を固めている。
脚本と監督は、2008年文化庁若手映画作家育成プロジェクト
に選出された中野量太。本作は、短編作品ではすでに数多く
の賞を受賞している新鋭監督の劇場デビュー作となる。
なお本作は、今年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で、日本
人監督では2004年の映画祭発足以来の初となる長編部門国際
コンペティション監督賞と、今後の可能性を期待させる国内
作品に贈られるSKIPシティアワードをダブル受賞し、今回の
SKIPシティDシネマプロジェクトに選出された。

『PARKER/パーカー』“Parker”
1990年の『グリフターズ/詐欺師たち』で米アカデミー賞脚
色賞の候補になったこともあるミステリー作家ドナルド・E
・ウェストレイクが、リチャード・スターク名義で発表した
「悪党パーカー」シリーズからの映画化。
なお、1962年にスタートした原作シリーズからは、第1作の
“The Hunter”に基づく1967年『殺しの分け前/ポイント・
ブランク』など複数の映画化があるが、本作は1997年に再開
された新シリーズの中で2000年に発表された“Flashfire”
に基づくものだ。
物語の始まりは、オハイオ・ステートフェア。大金の集まる
会場を4人組の男と襲ったパーカーは、手際良く150万ドル
の札束を奪い、逃走車を乗り換えて追っ手を撒くことにも成
功する。
ところがその逃走の車中で、4人組はさらなる大金の掛かる
次の仕事の話を切り出し、今回の金はその準備に当てると言
い出す。そしてその話に乗らないパーカーは車から突き落と
され、さらに止めの銃弾を打ち込まれてしまう。
しかし悪運強く生き残ったパーカーは、収容された病院を抜
け出し、恋人の許で体力の回復を図りつつ報復の計画を練り
始める。そして4人組の次なる計画がパームビーチと目星を
つけたパーカーは資産家を装って現地に赴き、不動産営業の
女性を使ってそのアジトを探り出す。
こうしてそのアジトと計画を見破ったパーカーは報復の計画
を進めるが、その4人組の1人には危険な後ろ盾のついてい
ることが判明してくる。しかし報復を諦めないパーカーは…
出演は、パーカー役にジェイスン・ステイサムが扮する他、
ジェニファー・ロペス、ニック・ノルティ。さらに今年7月
紹介『WIN WIN』などのボビー・カナヴェイル、映画「ファ
ンタスティック・フォー」シリーズでザ・シング役を演じる
マイクル・チクリスらが脇を固めている。
監督は、2000年『プルーフ・オブ・ライフ』などのテイラー
・ハックフォード。脚本は、昨年1月紹介『ブラック・スワ
ン』を手掛けたジョン・マクラフリンが担当している。
小説は非情な主人公のハードボイルドだと思うが、映画化は
ステイサムが主演のアクション作品。その辺が原作の読者に
どう受け取られるかは気になるところだが。おそらく現状で
はアクションスターのNo.1とも言えるステイサムのファンに
は、充分に満足してもらえる作品に仕上げられている。
この作品も、シリーズ化を期待したいものだ。

12月23日(日)
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