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On the Production
by 井口健二
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■GHOST RIDER 2、人生ブラボー!、ハードウェア・ウォーズ、名無しの十字架、ひまわり、牙狼2、アルマジロ、よりよき人生+Oscar/VFX
『よりよき人生』“Une vie meilleure”
昨年の東京国際映画祭・コンペティション部門で上映された
作品。昨年10月31日付でも紹介しているが、本作は来年2月
の一般公開が決定し、試写が行われてプレス資料も配布され
たので改めて紹介する。因に映画祭の時の題名は『より良き
人生』だったが、一般公開は平仮名になっている。
内容については繰り返しになるが、より良き人生を目指して
奮闘し、運命に翻弄されるカップルの姿を描いたフランス映
画。
主人公は35歳のコック、彼は職を求めて訪れたレストランで
28歳子持ちのウェイトレスと出会い、夢を語り合った2人は
一緒に暮らすようになる。そして郊外に素敵な建物を見つけ
た2人は銀行ローンを借りて改築に乗り出すのだが…。
完成したレストランは法律的な問題で営業許可を得られず、
さらに銀行ローンも手続き上の問題で条件を厳しくされてし
まう。この状況に切羽詰った女性は、手続きのためフランス
に残らざる得ない主人公の許に子供を残し、賃金の良いカナ
ダに出稼ぎに行くが、やがて音信が途絶えてしまう。
理想のレストランを目指して頑張る2人が法律や規則などの
様々な壁に阻まれる。日本でもありそうなお話だが、そんな
物語がフランスとカナダの大西洋を跨いで展開される。こう
なるとちょっと日本とは条件が違ってくるが、それでも描か
れる内容は夢と理想を求めて奮闘するカップルの姿であり、
そこには誰もが応援したくなるような素敵な物語が描かれて
いた。
監督は、2007年2月紹介『チャーリーとパパの飛行機』など
を手掛けたセドリック・カーン監督。脚本はカーンと、今年
6月10日付「フランス映画祭2012」で紹介『愛について、あ
る土曜日の面会室』の脚本と台詞を担当したカトリーヌ・パ
イエが共同で執筆している。
出演は、本作でローマ国際映画祭最優秀男優賞を受賞してい
るギョーム・カネ。今年9月紹介『虚空の鎮魂歌』などのレ
イラ・ベクティ、「フランス映画祭2012」で紹介『私たちの
宣戦布告』に出ていたブリジット・シィ。そして息子役を本
作がデビュー作のスリマン・ケタビが演じている。
以前に紹介した監督の作品も、厳しさの中に暖かい人間味が
描かれていたが、本作でもそんな厳しくて暖かい物語が描か
れていた。僕は、東京国際映画祭の時に、この映画で奮闘す
る主人公に男優賞を贈りたいと思ったものだが、その思いは
ローマで叶ったようだ。
* *
アカデミー賞VFX部門の予備候補が発表されたので紹介
しておく。
今年は10本選ばれた予備候補作は以下の通り。
“The Amazing Spider-Man”
“The Avengers”
“Cloud Atlas”
“The Dark Knight Rises”
“The Hobbit: An Unexpected Journey”
“John Carter”
“Life of Pi”
“Prometheus”
“Skyfall”
“Snow White and the Huntsman”
映画会社別ではワーナーが3本、ディズニーとフォックス
とソニーが各2本で、ユニヴァーサルが1本、パラマウント
は0本ということになる。前回は1月4日発表の10本に絞ら
れた段階で4本を占めていたパラマウントだが、マーヴェル
とドリームワークスの離脱が大きく響いているようだ。
この中から5本の最終候補が選ばれる。
12月02日(日)
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