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On the Production
by 井口健二
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■パーティは銭湯から…、虚空の鎮魂歌、サイバーゲドン、天のしずく、人生の特等席、最初の人間、ユニバーサル・ソルジャー+World's End
心となるもので、その男の一家が襲われ、妻と幼い娘が目前
で殺される事件が発端となる。そして男は、人相が脳裏に焼
き付いた襲撃犯への復讐を誓うというものだが…。
出演は、『エクスペンダブルズ2』にはヴァン・ダムの配下
役で出ていたスコット・アドキンス。そしてヴァン・ダム、
さらにドルフ・ラングレンも登場する。
ただし本作で、実はユニソルに新たな要素が加わっており、
それはオリジナルのコンセプトからは逸脱したもの。そのた
め試写の間はかなりの違和感があった。しかし落ち着いて考
えると、元々の1992年作にも本作のテーマへの言及はあった
もので、その点では元の思想に法ったものと言えそうだ。
因に今回登場する新たな要素は、1990年代に2作制作された
TVムーヴィの流れを引くようで、パラレルワールドがここ
で合体したことにもなりそうだ。
2本目は、180度方向を変えて正に現代犯罪を扱った作品。
原題の意味は映画の最初に紹介されるが、かなり衝撃的なも
のだ。
物語は、男が誘拐された少年を単独で奪還するシーンから始
まる。それは鮮やかな手口で作戦を成功させるのだが。その
裏ではコラテラル・ダメージとは言い切れない事象が発生し
ていた。このため男はトラウマを負ってしまう。
そして再び誘拐事件が起きた時、男は被害者の両親から協力
を懇願されるが、最初は応じる素振りも見せない。しかし男
が動き出すと、事件は凄まじい展開を見せることになる。
作品はヴァン・ダム主演のアクションドラマだが、背景にあ
るのは若年者の人身売買。その話はアジア映画でも何度も登
場しているが、本作では2009年6月紹介『96時間』にも描
かれたヨーロッパにおける事情が描かれている。
といっても作品はあくまでもアクション映画。『エクスペン
ダブルズ2』とは見違える風貌のヴァン・ダムによる見事な
闘いが描かれるものだ。それと今回の2作品を連続で観てい
ると、両作でそっくりのシーンが登場し、それを全く違う風
貌で、真逆の意味合いで演じているのも面白かった。
共演はTVドラマ“Stargate: Atlantis”のジョー・フラニ
ガンと、同じく“Stargate SG-1”のアナ=ルイーズ・プロ
ウマン。それにヴァン・ダムの息子のクリストファー・ヴァ
ン・ヴァレンバーグが主人公の息子役で出演している。
監督は、2002年“Cube 2”の脚本と、2004年“Cube Zero”
の監督も務めたアーニー・バーバラッシュ。監督は2011年の
自身の前作でもヴァン・ダムと組んでいたようだ。
* *
2004年“Shaun of the Dead”と2008年5月紹介『ホット
・ファズ』のエドガー・ライト監督・脚本、サイモン・ペッ
グ脚本・主演による新作のパロディ・コメディが計画され、
イギリスで撮影が開始されている。
今回の題名は“The World's End”。因に上記2作と本作
は併せて“cornetto”トリロジーとも称されているもので、
それぞれはジャンル映画に独自の捻りを加えたとのこと。そ
の第1作はゾンビで第2作は警官ものだった訳だが、新作は
それがSFとのことだ。
内容は20年ぶりの同窓会に集まった男たちが、昔の出来事
に話を咲かせるが、それは彼らを過去に誘い、さらに未来の
人類に関わる事態に繋がって行くというもの。ペッグ脚本の
SFコメディでは2011年10月紹介『宇宙人ポール』もなかな
かの出来だったので、本作の日本公開も期待したいものだ。
09月30日(日)
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