ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460106hit]

■バイオハザードV、天心の譜、Tiger & Bunny、ウーマン・イン・B、LIFE OF THE DEAD、388、ワーキング・ホリデー、BUNGO+Godzilla

『BUNGO「見つめられる淑女たち」』
『BUNGO「告白する紳士たち」』
宮沢賢治、三浦哲郎、永井荷風、岡本かの子、坂口安吾、林
芙美子。6人の文豪たちの作品を映画化したアンソロジー。
宮沢原作の「注文の多い料理店」は、2010年『時をかける少
女』の菅野友恵脚本、2006年『パビリオン山椒魚』などの冨
長昌敬監督、主演石原さとみ、宮迫博之。原作からはちょっ
と味付けを変えて、不気味さの中にもコミカルな雰囲気の漂
う作品に仕上げられている。
三浦原作の「乳房」は、2006年『マイムマイム』の岨手由貴
子脚本、2007年『きみにしか聞こえない』で助監督を務めた
西海謙一郎監督、主演水崎綾女、影山樹生弥。思春期の少年
と夫を戦争に取られた若い女性の物語。少年の憧憬が、過酷
な背景の中で巧みに描かれる。
永井原作の「人妻」は、2008年『ワイルド・ライフ』の山田
太郎脚本、2010年『海炭市叙景』の熊切和嘉監督、主演谷村
美月、大西信満。町外れの家に間借りした主人公は、その家
の若い夫婦と暮らすことになるが、主人公には若妻の姿が気
になって仕方がない。
岡本原作の「寿司」は、2009年『風が強く吹いている』の大
森寿美男脚本、CM演出家の関根光才監督、主演橋本愛、リ
リー・フランキー。寿司屋の看板娘と常連客で無口な中年紳
士の交流が描かれる。ある日町で紳士を見かけた娘は、ふと
紳士に声を掛けるが…
坂口原作の「握った手」は、2005年『リンダリンダリンダ』
の向井康介脚本、山下敦弘監督、主演山田孝之、成海璃子、
黒木華。映画館で衝動的に隣の女性の手を握った主人公は、
その手を握り返される。こうしてその女性と付き合い始めた
主人公だったが、心には不安が残る。ちょっとファンタステ
ィックな要素もある作品。
林原作の「幸福の彼方」は、1983年『探偵物語』の鎌田敏夫
脚本、2012年『シグナル〜月曜日のルカ』の谷口正晃監督、
主演波瑠、三浦貴大。見合い結婚した2人は幸せな結婚生活
を送っていたが、ある日突然、夫は自分に息子がいることを
告白する。夫婦の情感が見事に描かれる。
それぞれ作品は原作の発表年代を意識した時代背景で、昭和
前半の雰囲気がよく出されていた。そんなムードの中で文豪
たちの名作が解り易く描かれている。脚本家、監督、出演者
も現代日本映画を代表する顔ぶれが集まっており、日本映画
のカタログとも呼べそうな作品だ。
        *         *
 2011年7月17日付などで報告している“Godzilla”の再度
のハリウッドに関して、同作の製作を進めているワーナー及
びレジェンダリー・ピクチャーズから、全米公開日を2014年
5月16日に決定したことが発表された。
 因に監督は2011年6月紹介『モンスターズ』のギャレス・
エドワーズ、脚本はデイヴィッド・キャラハン、デイヴィッ
ド・S・ゴイヤーに加えて、2003年“Swordswallowers and
Thin Men”という作品でニューヨーク国際インディペンデン
ト映画祭のジャンル賞や脚本賞を受賞のマックス・ボレンス
タインが仕上げを担当したようだ。
 監督も脚本家もまだキャリアは浅いが、伝説の怪獣に新た
な血を注ぎ込んでもらいたいものだ。
 なお出演者などは未発表だが、作品は3Dで公開されるこ
とになっている。

09月16日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る