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On the Production
by 井口健二
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■黄金を抱いて、アルゴ、ロックアウト、駄作の中だけに、ミラクル・ツインズ、エクスペンダブルズ2、ドリームハウス、ニモ3D+Hobbit
さらに主人公の2人の娘役に、2010年7月紹介『インセプシ
ョン』に出演のテイラー・ギアとクレア・アスティン・ギア
の姉妹。そしてもう1人の少し年長の少女役に、『デスパレ
ートな妻たち』にレギュラー出演のレイチェル・G・フォッ
クス。彼女と主人公の交わす台詞は出色のものだ。
この種の心理ドラマは、とかくトリッキーな展開が目を引く
が、本作ではその中に素晴らしい情感が込められている。特
に本来なら掟破りの展開が、ここでは物語に深みを与えてい
る面もあり、それは見事な脚本。オスカー脚本賞にもノミネ
ートされたシェリダン監督が惚れ込んだのも判る作品だ。
なおシーンによって2つの顔を見せる家のプロダクション・
デザインは、1981年『スキャナーズ』などデヴィッド・クロ
ーネンバーグ作品を手掛けるキャロル・スピアが担当。また
衣裳デザインも『スキャナーズ』などのデルフィーヌ・ホワ
イトが手掛けているのも注目だ。

『ファインディング・ニモ3D』
           “Finding Nemo/Partysaurus Rex”
2003年11月紹介のディズニー=ピクサーによるCGIアニメ
ーション作品が3D化され、3D劇場限定で再公開される。
物語については以前の紹介を見て貰いたいが、今回見直して
みると、一部の展開がかなりシビアなことに改めて気付かさ
れた。それはまあ当時も指摘はされていたが、10年前の僕は
まだディズニーのブランドで気にもしていなかった。
しかし今見ると、戦争に絡む表現などにはかなりの厳しさも
感じたものだ。その他にも現実を見詰める視線には、確かに
従来のディズニーとは異なるものが感じられた。でもまあ、
全体はディズニー調の冒険なのだが。
ということで今回は、それがさらに3D化もされているもの
だが、ハリウッドの特に後付けの3Dでは、どうしても奥行
き感が主体で前に飛び出してこないのは、いろいろあって難
しいのが現状のようだ。従って本作でもあまりこれはという
3D感は得られなかった。
これは、2008年4月13日付で報告しているように“Deep Sea
3D”をIMax-3Dで体験している僕としては物足りなくも感じ
てしまうところだ。でもまあその他の海中の景観はそれなり
に3D化されていたから、これは現状では満足しなければな
らないものだろう。
なお公開では、『レックスはお風呂の王様』“Partysaurus
Rex”という短編作品が併映される。こちらは人気の『トイ
・ストーリー』からのスピンオフで、いつもはちょっと間抜
けな感じの恐竜人形のレックスが、入浴用のおもちゃと共に
大活躍するというもの。ちょっとした才能が皆に大きな夢を
もたらすという展開は、社会的な側面を持った作品にも感じ
られた。
        *         *
 8月5日付で3部作になることを報告した“The Hobbit”
の映画化で3作の副題と全米公開日が発表された。
 それによると、まず来年12月13日に全米公開される第2部
の副題は“The Desolation of Smaug”となり、第3部の副
題が“There and Back Again”とされると共に、その全米公
開日は2014年7月18日になるとのことだ。
 またこの3部作では、撮影が通常の倍速の毎秒48齣の方式
で行われており、一部の劇場で方式に対応した上映が行われ
ると、特に3Dでは極めて滑らかな映像が観られる。それが
日本で観られるかどうか判らないけど、ディジタルならその
程度の対応は難しくはないはずで、是非とも日本でも実現し
て欲しいものだ。

09月09日(日)
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