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On the Production
by 井口健二
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■FASHION STORY、アウトレイジ2、ヴァンパイア、ロラックスおじさん、One Night One Love、最終目的地、ゾンビ革命、ハーバー・クライシス
と言いたくなるようなシーンも続出する作品で、それは日本
人にもたっぷりと笑えるもの。その一方で愛国心もしっかり
と描かれている辺が、さすがお国柄と言えるのだろうか。そ
れにしてもかなり皮肉な描き方だったが。
『ハーバー・クライシス』“痞子英雄 首部曲 全面開戦”
2009年から放送され本国台湾で大人気を博したというテレビ
ドラマからの映画版。ただし物語はテレビシリーズの3年前
という設定のものだ。
主人公は、ハーバー・シティ南署特捜科に赴任したばかりの
新米刑事。しかし名前はウー・インション(呉英雄)で、そ
の名が体を表すような熱血漢。今も強盗団を身体を張って取
り押さえマスコミからは英雄を呼ばれるのだが。署内の上司
には難癖を付けられて、停職処分にされてしまう。
しかし事件が彼を追いかけるのか、街で車のトランクに詰め
込まれた死体を発見し、さらにその死体が飲み込んでいた携
帯電話は、新たな事件を彼にもたらしそうだ。
一方、ハーバー・シティを仕切るヤクザ三連会の幹部シュー
・ダーフーは、一時的に預かった組の金で一儲けを企む。と
ころが資金を倍にするはずの宝石の密輸では取引現場が謎の
軍隊に襲われ、しかも現場で携帯電話の情報でやってきた刑
事と出食わしたダーフーは…。
とまあ文章で書くと普通の刑事ドラマだが、ここに登場する
謎の軍隊というのが、高速ヘリからロケット砲も装備した飛
んでもない連中で、高々2人のためにそれをぶっぱなす。そ
れでも窮地を脱出してしまう刑事たちだが…。そこから後も
途轍もない大アクションが連続する。
因にテレビシリーズでの英雄の相棒はプレイボーイ刑事だそ
うだが、映画はその2人が出会う前の話。本作ではヤクザの
幹部が相棒となり、それぞれの立場を踏まえた活動で、国家
を揺るがす大事件を解決するものだ。
出演は、本作のテレビシリーズで大ブレイクしたというマー
ク・チャオ。2006年7月紹介『クレージー・ストーン』など
のホァン・ポー。
他に、2004年9月紹介『ターンレフト・ターンライト』など
のテリー・クァン、2010年11月2日付「東京国際映画祭」で
紹介『ホット・サマー・デイズ』などのAngelababy、台湾の
映画監督でもあるレオン・ライ、2009年2月紹介『新宿イン
シデント』などのカオ・ジエ、2007年1月9日付「東京国際
映画祭」で紹介『八月的故事』などのディーン・フジモトら
が脇を固めている。
映画後半の大アクションをどこまで紹介していいか迷うとこ
ろだが、そのアクション監督には、フランスから『トランス
ポーター』シリーズなどのシリル・ラファエリと、香港から
もジャッキー・チェンスタントチームのリー・チュンチーが
招かれ、さらにハリウッドから『ファイナル・デスティネー
ション』の美術チームが呼ばれるなど、正に国際的な陣容で
製作されている作品だ。
それにしても久々に大アクションを観られた、という感じの
作品だった。
08月26日(日)
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