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On the Production
by 井口健二
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■桃さんのしあわせ、高地戦、秋瑾〜競雄女侠〜、のぼうの城、ザ・レイド、ウォリスとエドワード+Avengers, Justice League, Jumanji
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『桃さんのしあわせ』“桃姐”
香港の女性監督アン・ホイによる1人の女性の半生を描いた
実話に基づく作品。
桃さんは13歳の時から60年間に亙りその一家に仕えてきた。
そして一家の大半は海外に移住したが、その内の1人で映画
製作者のロジャーが帰国してからは、その世話をするのが彼
女の仕事になる。
それは主人の好き嫌いや健康も考えた料理を供すること。他
にも家の中は塵一つなく掃除が行き届いている。その仕事ぶ
りは、ロジャーが他人には義母と紹介するほどの愛情の籠っ
たものだ。
ところがその桃さんが脳卒中を起こし、幸い症状は軽かった
が、もはや仕事は無理と告げられる。こうして老人ホームに
入居することになった桃さんだったが、そこには様々な老人
たちが暮らしていた。
そんな老人ホームで暮らす中で徐々に老いて行く桃さんの姿
と、映画業界で生きるロジャーの生活ぶりを描きながら、映
画は老いを迎えることの現実とそれに向かって行く人たちの
姿を愛情を込めて描いている。
出演は、本作で11年ぶりの映画界復帰を果たしたベテラン女
優のディニー・イップ。今年4月紹介『王朝の陰謀』などの
アンディ・ラウ。他に、チン・ハイルー、ワン・フーリー、
チョン・プイ、アンソニー・ウォンらが脇を固めている。
またサモ・ハン、ツイ・ハークら多数の映画人がロジャーの
関係者として登場している。因にラウは、本作の製作にも関
与し、出演はノーギャラだそうだ。
原作は、本作も手掛ける映画製作者ロジャー・リーの実話に
基づくもので、ハウスメイドは香港でも廃れゆく職業のよう
だが、そんな中での伝統的な主従関係などが愛情を持って描
かれている。
それは必ずしも暗いイメージではなく、愛情や信頼など素晴
らしい人間関係を描いている。そしてそこにはある種のノス
タルジーも感じさせるものだった。
『高地戦』“고지전”
2009年1月『映画は映画だ』と2010年8月『義兄弟』を紹介
しているチャン・フン監督が、朝鮮戦争における最大の激戦
に焦点を当てて描いた作品。
1953年7月27日10時に発効した朝鮮戦争停戦協定を巡って、
その第5条63項で除外事項とされた第2条12項の記載に関連
した物語。その附則によると、戦闘は協定が発効した時点か
ら12時間後まで認められ、その間に最後の戦いが行われたと
いうのだが。
物語は、国連軍と北朝鮮軍及び中共軍との間で行われている
停戦協議の場から始まる。その協議は開戦から1年も経ずに
始まったが、2年が過ぎても未だ纏まる様子はなかった。そ
れはめまぐるしく変わる高地戦の戦況によるものが大きく、
そこでは日々支配地域が変化していたのだ。
そんな中、高地で戦う一部隊の異変が伝えられる。それは北
の兵士の手紙が、南の軍郵便で配達されているというもの。
そして諜報部に務める主人公は、その調査を命じられて激戦
の続く高地に向かうことになるが…その部隊はまだ若い将校
によって指揮されていた。
同じ民族の者同士が戦っている朝鮮戦争。そこでは異民族と
の戦いとは違う特別なドラマが展開されていたようだ。そん
な中での究極の人間ドラマが展開される。
出演は、2006年8月紹介『トンマッコルへようこそ』などの
シン・ハギュン、今年1月紹介『超能力者』などのコ・ス。
さらに若手のイ・ジェフン、イ・デビット、2008年8月紹介
『ファン・ジニ』などのリュ・スンリョン、2007年1月9日
付「東京国際映画祭」で紹介した『多細胞少女』などのキム
・オクビンらが脇を固めている。
脚本は、2000年のヒット作『JSA』の原作者としても知ら
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08月19日(日)
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