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On the Production
by 井口健二
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■B・レガシー、フタバから遠く…、ビラルの世界、情熱のピアニズム、リヴィッド、恋と映画とウッディ・アレン、UVERworld、中国映画の全貌
どのようにクリアしたのか。映画の展開として有効な字幕だ
っただけに、よけいに気になった。
特にエンディングクレジットは、字幕の配置も含めて見事な
ものだった。
監督は、関ジャニ∞のコンサート用映像や、福山雅治主演の
「アサヒスーパードライ」のCMなどを手掛ける中村哲平。
新たな映像作家の誕生も感じさせる作品だった。

『中国映画の全貌2012』
10月6日から東京新宿K’sシネマにて開催される標記特集
の中で上映される作品の内、新作2本の試写が行われた。
「私の少女時代」“我的少女時代”
文化大革命による下放を描いた作品。主人公は子供の頃の病
気で下半身が付随になり、部屋を一歩も出られない生活をし
ていた。しかし下放政策により両親と共に田園の村に行かさ
れた主人公は、独学の医療で村人の役に立ち始める。
物語は、映画の最初と最後に出演している中国障害者連合会
の女性会長チャン・ハイディーの自伝に基づくもので、下放
政策の中でも逞しく生き抜いた女性の姿が描かれる。
とは言っても、今まで中国映画では下放政策のネガティヴな
面ばかり観てきていたから、多少の違和感は生じたが、まあ
こういう人もいたということ、こういう人だから会長も務め
ているのだろう。
監督は、中国中央電視台・番組総監の地位にあるフェン・ゼ
ンジとその妻のチャオ・ホイリー。2人は前作でも障害者を
主人公にした作品を撮っているそうだ。主演は、京劇出身で
本作が3作目のリー・イーシャオが務めている。
「ロスト・イン・北京」“蘋果”
現代の北京で暮らす2組の夫婦の物語。1組はエステサロン
を経営する金持ちの夫婦だが、年月を重ねても子供に恵まれ
ていない。もう1組は妻がそのサロンに勤めるエステシャン
だが、ある状況から社長と不倫をしてしまう。
しかも彼女の夫がそれを目撃してしまい、ドタバタの事態に
なってしまうのだが、やがて彼女の妊娠が判明し、その子供
を巡ってさらに2組の夫婦の葛藤が始まる。
中国の一人っ子政策が今も続いているかどうか知らないが、
中国での子供の誕生は、特にその子が男子の場合は日本以上
に特別な意味を持っているようだ。そんな事情も絡んでの、
笑い飛ばすには少々厳しいドラマが展開される。
監督は、2010年11月1日付の「東京国際映画祭」で紹介した
『ブッダ・マウンテン』のリー・ユー。同作で映画祭の最優
秀女優賞を獲得したファン・ビンビンが本作にも出演し、他
にレオン・カーワイ、トン・ダーウェイ、エレイン・チンら
が共演している。
なお今回の特集では、上記の新作の他に、国交回復で日中友
好協会に寄贈された5本のプロパガンダ作品『農奴』『白毛
女』『阿片戦争』『五人の娘』『エニアル』も上映されるこ
とになっている。

08月12日(日)
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