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On the Production
by 井口健二
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■ダークナイト ライジング、画皮 あやかしの恋、X年後、歌えマチグヮー、マダガスカル3、コンシェンス、セイフ、ペンギン夫婦のつくり方
知れないが、もう少し何とかして欲しい感じはした部分だ。
その他では、後半の展開などは思わずニヤリとしてしまった
し、それはエンターテインメントとしては充分だった。

『ペンギン夫婦のつくり方』
平成12年に発売されて日本中に食べるラー油ブームを巻き起
こした石垣島辺銀食堂の辺銀夫妻を描いたドラマ作品。
物語は、中国人と日本人の国際結婚だった夫妻の夫が、日本
国籍への帰化申請をするところから始まる。それは国際結婚
で認められる夫婦別姓に夫が不満を感じ始めたせいだった。
ところが偽装結婚を警戒する日本政府は、帰化申請に対して
夫婦個別の聞き取り調査など厳重な審査を実施。しかもその
間には夫妻が不正行為を働いていないか調べる、身辺調査な
ども行っていた。
こうして進められる調査によって徐々に明らかにされる夫妻
の姿が描かれて行く。
最近各地を訪れると、何処に行ってもご当地食材を使った食
べるラー油が氾濫している。そんなブームの立て役者がこの
辺銀夫妻なのだそうだ。そんな訳でこの映画もそのラー油の
開発秘話なのかと思っていたら、これは本当に夫婦の作り方
の物語だった。
そこには勿論ラー油開発の話も出ては来るが、メインとなっ
ているのは夫婦の話。2人の愛情が如何にして育まれていっ
たか、そんな夫婦の歴史がラー油開発と共に描かれて行く。
それは波乱万丈と言うものではないが、夫婦はこうありたい
と思えるものだ。
出演は、2011年3月紹介『八日目の蝉』などの小池栄子、台
湾俳優ワン・チュアンイー。他に6月紹介『るろうに剣心』
などの深水元基、沖縄出身の山城智二、吉田妙子らが脇を固
めている。
脚本と監督は、2009年6月紹介『僕らはあの空の下で』の平
林克理。脚本には2010年8月紹介『裁判長!ここは懲役4年
でどうすか』のアサダアツシも参加している。
辺銀(ペンギン)というのは夫妻の実際の苗字だが、日本で
唯一のこの苗字が誕生する理由がちょっと面白くて、これが
正に法律の落し穴。こんなことが許される(許さざるを得な
かった)日本の法律の面白さも描けていた。
それに全編が石垣島でロケされた風景も素敵な作品。因に、
劇中の登場する料理は全て辺銀夫妻の調理によるものだそう
で、それも本当に美味しそうな作品だった。
なお10月20日の公開に先駆ける前売鑑賞券の発売では、現在
入手6カ月待ちと言われるペンギンラー油付きペア鑑賞券も
発売されているそうだ。因に試写会では、15gのパック詰め
が配られたが、これは本当に美味しかった。

07月22日(日)
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