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On the Production
by 井口健二
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■聴こえてるふり、夏の祈り、ハンガーゲーム、東野圭吾“笑”、コッホ先生、強奪のトライアングル、プロメテウス、空飛ぶペンギン
ファズ』のレイフ・スポール、『月に囚われた男』のベネデ
ィクト・ウォン、『アクロス・ザ・ユニバース』のローガン
・マーシャル=グリーンらの面々が隊員を演じている。
元々の企画はスコット監督によるもののようだが、具体的な
物語の展開が難しかったようだ。しかしその物語を、2008年
12月紹介『パッセンジャーズ』などのジョン・スペイツと、
昨年8月紹介『カウボーイ&エイリアン』などのデイモン・
リンデロフが完成。スコット監督もこれならということで映
画化が行われた。
今回、僕は残念ながら事前に情報を得てしまっていたが、長
年SF映画を見続けてきた人には最高の贈り物と言って良い
作品。しかも、現代最高のヴィジュアリストとも言えるスコ
ット監督がそれを3Dで映像化した。これはSF映画ファン
こそが観るべき作品だ。

『空飛ぶペンギン』“Mr.Popper's Penguins”
ジム・キャリーの主演によるファミリー・コメディ。全米で
は4週連続トップ10入りを果たした作品が、日本ではDVD
リリースとなり1回だけの試写が行われた。
主人公は、歴史あるニューヨークの不動産会社で物件の買収
交渉が専門のエリート営業マン。仕事は100発100中で近々経
営陣への参加も期待され、高級アパートに住む優雅な暮らし
だが、実は仕事一筋が禍して家族とは別居、子供とは週末だ
けの面会だ。
そんな彼の父親も冒険家で親子はあまり会えなかったもの。
その父親の死が伝えられ、彼に最後のプレゼントが届く。そ
れは保冷コンテナに納められたペンギン。しかも6羽が彼の
生活に雪崩れ込んでくる。そのペンギンに週末来た子供たち
は大喜びだったが…
この主人公に、交渉先のセントラルパークに建つレストラン
のオーナーや、ニューヨーク動物園の飼育員、さらにアパー
トの住人や主人公の秘書や勤務先の経営陣などが絡んで、都
会でペンギンを飼うという夢のようなお話が展開される。
原作は、1939年のニューべリー賞を受賞したリチャード&フ
ローレンス・アトウォーターによる児童書。原作では主人公
はビジネスマンではないし、ペンギンの贈り主も父親ではな
いようだが、その他の展開では原作を巧みに現代化している
ようだ。
キャリー以外の共演者は、『スパイキッズ』などのカーラ・
グギーノ、『ジェシカおばさんの事件簿』などのアンジェラ
・ランズベリー、2011年2月紹介『抱きたいカンケイ』など
のオフィリア・ラヴィボンド。
脚本は、2010年に“Hot Tub Time Machine”という作品を発
表しているジョン・モリス、ショーン・アンダースのコンビ
と、2009年4月紹介『ボルト』に関っているジャーリド・ス
ターン。因にモリスとアンダースは、キャリー製作の“Dumb
and Dumber Sequel”にも起用が発表されている。
監督は、2008年『スパイダーウィックの謎』などのマーク・
ウォーターズが担当した。
キャリーのコメディは、2009年1月紹介『イエスマン』など
は比較的判りやすいが、アメリカ文化に根差した作品はなか
なか難しい。しかし本作は、ニューヨークでペンギンを飼う
という発想がファンタスティックで、それに加えるペンギン
の愛らしさなどでは観客へのアピールも充分と言えそうだ。
なおペンギンはほとんどがCGIで描かれており、それは愛
らしい姿を存分に見せてくれるものだ。

07月08日(日)
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