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On the Production
by 井口健二
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■ピラニア2、凍える牙、トガニ、セブン・デイズ・イン・ハバナ、かぞくのくに、DON'T STOP、鍵泥棒メソッド、LIGHT UP NIPPON+Valerian
は問われないが、その報道を見て「打ち上げられない花火は
どうなるのだろう」と、1人の男性が考える。
そして花火師に問い合わせた男性は、花火はすでに完成され
てあることを知り、それならその花火を震災の被災地・東北
で打ち上げられないかと考える。こうして東北地方の10カ所
以上の会場で、一斉に花火を打ち上げるという計画がスター
トする。
しかしそれは4月の時点、被災地はまだ混乱の中で、行政は
夏祭りの実施の検討すらできない状態だ。その中を実施に向
けて働きかけをする男性には当然批判の声や、単純に無理だ
とする声も聞こえてくるが…
昨年の官製の自粛ムードに関しては僕自身いろいろ考えると
ころもあったものだが、そこから一気に使われない花火を東
北で打ち上げようとは…。正にその発想の転換に拍手を贈り
たくなった。
しかもそこからの行動力の凄さ。プレス資料にはこの計画の
発起人の人物の情報は掲載されていなかったが、この行動力
には只者ではない感じがする。大体このドキュメンタリーに
してからが、最初からちゃんとした監督が同行している。
それはともかく、傍目にも無謀に見えるこの計画が、発起人
男性の熱意によって実現して行くまでの経緯は素晴らしいも
のだし、さらに計画が実施されたときの感動は観客にもスト
レートに伝わってきた。
監督は2011年11月紹介『UGLY』などの柿本ケンサク。CGI
なども使った映像は見事で、特に巻頭の実施状況をシミュレ
ーションする映像は、観客を巧みに当事者の感覚に誘導して
いる感じがした。
ナレーションを黒木瞳、音楽は坂本龍一が担当している。
なお、劇場公開及びDVDの売り上げによる本作の収益は、
今年の「LIGHT UP NIPPON」の実施のために使用されるそう
だ。
* *
2006年3月紹介『アンジェラ』で「10本撮ったから監督を
卒業する」としていたリュック・ベッソン監督は、その後は
『アーサーとミニモイ』3部作に『アデル』『The Lady』と
以前に倍する勢いで監督作品を発表している。そのベッソン
監督の最新計画が発表された。
その題名はまだ決定されていないが、作品は1967年に発表
された“Valerian”というコミックスの映画化。物語は宇宙
冒険を繰り広げる時間旅行者の捜査官を主人公にしたものだ
そうだ。因に原作はすでにアニメ化もされており、ウェブに
もいくつか動画が上がっている。
ベッソンは元々コミックスの大ファンとしても知られてい
るが、このシリーズの作画を担当したジャン=クロード・メ
ジエールには、1997年『フィフス・エレメント』制作時のコ
ンセプトアートも依頼していたものだ。そしてベッソンは映
画化の脚本と監督も担当するというものだが…
実はベッソン監督には、8月の撮影開始でロバート・デ=
ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ共演による“Malavita”
というダークコメディが既にカンヌでのプレセールスを完了
しており、さらに2013年の最初の四半期にはアンジェリーナ
・ジョリーの主演によるアクションスリラーの監督も予定さ
れていて、その間を縫っての脚本の執筆と制作準備では、今
回の計画は少し先になりそうだ。
07月01日(日)
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