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On the Production
by 井口健二
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■闇金ウシジマ、これは映画、ハイザイ、フクシマからの風、ディクテーター、メリダとおそろしの森、コロンビアーナ、フランス映画祭短編集
踊りながら街に出たカップルの前に、モノクロ映像の殺人光
線を発射しまくる巨大生物とゾンビの群れが現れる。そして
カラフルなカップルはモノクロの博士に助けを求めるが…
博士の名前がクォーターマスだったり、カラーの人物の台詞
はフランス語でモノクロの人物は英語など、いろいろ凝った
構成も楽しめる作品。巨大生物の造形や動きもそれなりに考
えられたものだったようだ。
「ラスト・ワゴン」
背景は郊外の高速道路の建設現場のようだ。そこに寝泊まり
して働く3人の男たちは互いの不満をぶつけながら仕事に従
事していたが、そんな彼らの前に現場主任が現れ、人員の削
減を宣言する。荒涼とした西部劇のような背景の中で男たち
のドラマが展開する。
「踏切警手」
とある田舎の踏切。そこで警手を務めるお婆さんは、ヴァイ
オリンを弾きながら牛と一緒に暮らしていたが、ある日、通
過する列車を止めてみようといろいろな手段を試みる。しか
しなかなか上手くは行かなかったが…
「人間運送」
主人公は、父親と2人息子で運送業を営む一家の末弟。しか
し段ボールばかりの運搬に嫌気の差した主人公は父親からの
独立を宣言し、新しい事業を開始する。それは思わぬ波紋を
広げて行く。人の暖かさが感じられる素敵な作品だ。
「近日公開」
映画の予告編を模した形式で1人の女性と2人の男性の関係
が描かれる。ただしその予告編は1本ではなく、それは恋愛
映画だったり、ホラー映画だったり、その度ごとにトーンも
変えて飛んでもない人生ドラマが描かれる。
今年のフランス映画祭に関しては、先に何本か紹介したが、
今年の上映作品は長編が11本と今回紹介の短編集となってい
る。その長編に関しては9作品を紹介したが、残る内の『最
強にふたり』は東京国際映画祭に出品されており、昨年10月
30日付で紹介した。
そしてもう1本の『リヴィッド』は、実はファンタシー系の
作品なのだが、この作品の試写はスケジュールが合わず観ら
れなかった。しかしこの作品は今年9月の日本公開が決定し
ており、その際に改めて試写を観て紹介させてもらうことに
する。
        *         *
 製作情報はヤングアダルト・シリーズの映画化の話題で、
まずはカサンドラ・クレア原作“The Mortal Instruments”
が、リリー・コリンズ、『トワイライト・サーガ』のジェイ
ミー・キャムベル・ボワーらの共演で進められている。
 内容は、10代の普通の少女が自分は悪魔と戦う戦士である
ことに目覚めるというもの。映画化は2004年3月紹介『エー
ジェント・コーディ』などのハラルド・ツァート監督の許、
ソニー傘下のスクリーン・ジェムズで行われる。
 もう1本、2006年12月1日付第124回などで紹介したマイ
クル・スコット原作“The Alchemyst”の映画化が、オース
トラリアのアムプコ社で進められることになった。
 2007年にスタートした原作は、今年5月に全6巻が完結し
たようだが、当所から計画された映画化がようやく進むもの
だ。因にアムプコ社は、『LOTR』などのWETAワークショ
ップと提携しており、VFX満載の映画化が期待される。

06月24日(日)
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