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On the Production
by 井口健二
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■汚れた心、サニー 永遠の仲間たち、スープ、プレイ/獲物、愛の残像/灼熱の肌、ダーク・シャドウ、臍帯、MIB3
見事に構築された人間ドラマが展開されていた。その間の心
理描写も巧みで、これは一級の心理サスペンスだ。
出演は、2007年9月紹介『Mayu−ココロの星−』に出ていた
於保佐代子、2005年6月紹介『七人の弔』などの柳生みゆ、
そして1998年『女刑事RIKO』などの滝沢涼子。
試写後、主人公が過去の経緯を知った手段が不明だと注文を
付けている人がいたが、それは探偵を雇うなど方法はいろい
ろあるだろう。それを示唆する描写などはあっても良いが末
節のことだ。
それより本作では、表情のアップを多用した映像演出や何よ
り物語の展開の巧みさに注目すべきものだ。その映画的なセ
ンスには、さすが映画を良く知っている人の感じがしたし、
さらに一般の日本映画とは違う感じも受けた。
こんな感覚の作品が増えれば、日本映画にも見所が増えてく
るだろうという期待も抱かせるものだ。しかしその作品が、
2010年の映画祭上映から2年間もお倉入りになっていたこと
は問題である訳で、こういう作品がしっかり観られる環境も
欲しいものだ。
なお本作の公開は、東京は6月16日から新宿武蔵野館など、
全国順次公開となるようだ。

『MIB3』“Men in Black III”
1997年と2002年に公開された…地球上にはすでに異星人が侵
入しているとするSFシリーズの第3弾。その新作に主演の
ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーズと、バリー・ソネ
ンフェルド監督が再結集した。
前作から10年、エージェントKとJのコンビは、互いの理解
は進まないまま、でもしっかりと続いているようだ。そんな
時、月面の監獄から最強の異星人が脱獄する。その異星人は
1969年にエージェントKが逮捕したものだった。
そしてエージェントJに変調が起き、彼は存在しないエージ
ェントKの姿を追い始める。そのエージェントKは1969年に
異星人の逮捕に失敗して殉職していた。そして彼が逮捕でき
なかった異星人の軍団が地球に襲い掛かる。
一方、エージェントKの記憶を残すエージェントJは、その
事実から過去に飛ぶことを命じられる。そしてその場所でJ
は若き日のエージェントKに巡り会うが…。そこにはKを亡
きものにしようとする異星人の姿もあった。
共演は2011年1月紹介『トゥルー・グリット』などのジョッ
シュ・ブローリン、2009年8月紹介『パイレーツ・ロック』
などのエマ・トムプスン、2010年5月紹介『セックス・アン
ド・ザ・シティ2』などのアリス・エヴァ。
他に、ジェイミー・クレメント、マイクル・スターバーグ、
ビル・ハーダーらが脇を固めている。さらにティム・バート
ン、ジャスティン・ビーバー、レディ・ガガらのゲスト出演
もあったようだ。
脚本は、2008年『トロピック・サンダー』などのイーサン・
コーエンと、2009年5月紹介『天使と悪魔』などのデヴィッ
ド・コープ。エージェントKとエージェントJの間に隠され
た関係など、思わず納得するものになっていた。
VFXの監修には前2作も手掛けたケン・ラルストンが名を
連ね、エイリアンの特殊効果は、こちらも前2作を手掛けた
リック・ベイカーが担当している。製作総指揮はスティーヴ
ン・スピルバーグで、映画の最後にはAmblinのマークも出て
きた作品だ。

05月13日(日)
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