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On the Production
by 井口健二
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■ミッシングID、孤独なツバメたち、一枚のめぐり逢い、MY HOUSE、フェイシズ、フライペーパー!、Hell、ラム・ダイアリー+Sin City
に職を求める。そしてその履歴書や推薦状は嘘と見抜かれる
が、彼は記者として雇われることになる。
その新聞社には、豪放なカメラマンや社には滅多に顔を出さ
ない記者などもいて、主人公はそんな彼らとルームシェアし
て南国の暮らしを始める。それは自家製の密造ラム酒にも浸
ったものだった。
そんな中、とあるパーティの取材中に海で泳ぐ美女に目を留
めた主人公は、パーティ主催者のリゾート開発業者とも知り
合いになる。しかしそれは新聞社も牛耳る開発業者の企みに
加担することだった。
こうして主人公は、有象無象が蠢く南国の裏を目撃すること
になる。そして新聞社にも廃刊の危機が迫っていた。
原作はトムプスン自身の実体験にも基づいているようだが、
原作者は若い頃に書き上げた原稿をそのままトランクの底に
仕舞っていたそうだ。それを自宅に遊びに行ったデップが発
見し、その場で出版を促し映画化も検討したとなっている。
従ってデップにとっては最も愛着のある原作かも知れない。
その映画化は原作者の存命中には実現しなかったが、デップ
は脚本・監督に久しく現場を離れていたブルース・ロビンス
ンを引っ張り出すなど、万全の体勢でそれに臨んでいる。
共演は、2011年6月紹介『ザ・ウォード』などのアンバー・
ハード、2011年3月紹介『世界侵略:ロサンゼルス決戦』な
どのアアロン・エッカート。さらに2010年10月紹介『キック
★アス』などのマイクル・リスポリ、リチャード・ジェンキ
ンス、ジョヴァンニ・リビシらが脇を固めている。
デップは、本来の主人公よりは少し年上かも知れないが、ヘ
ヴィなメイクもなくほぼ素顔の登場で若々しく演じている。
これでさらにファンになる人も増えそうだ。
* *
2005年7月紹介『シン・シティ』の続編が、前作も手掛け
たロベルト・ロドリゲス監督の手で進められ、今年夏の撮影
で計画されていることが報告された。
オリジナルは、2007年3月紹介『300』などのフランク
・ミラー原作によるグラフィックノヴェルに基づくもので、
2005年の映画化では、ロドリゲスとミラーが共同製作、共同
脚本、共同監督で名を連ねていた。
ところがアメリカ監督協会の規定では、1本の映画の監督
の名義は1人のみとされ、共同監督は認めないという横やり
が入り、公開はそのまま行われたものの、それに異議を唱え
たロドリゲスは最終的に監督協会を脱退することになってし
まう。
とは言え現実的には協会員でなくとも映画を監督できない
訳ではなく、その影響は少ないと観られていたが…。実は映
画会社の中でパラマウントは監督協会との結び付きが深く、
同社は自社作品に協会員以外の監督は認めないとしていた。
しかも丁度この時、パラマウントではロドリゲスの監督で
“A Princess of Mars”の計画が進められており、協会を脱
退したロドリゲスはこの計画から降板せざるを得なくなって
しまったものだ。
そして結局パラマウントは映画化を諦め、その権利を回収
したディズニーが今年『ジョン・カーター』を公開したもの
だが、正にその年に『シン・シティ』の続編が動き出すのも
不思議な巡り合わせと言えそうだ。
なお続編は“Sin City: A Dame to Kill For”の題名で、
脚本は、ミラーと2006年『デパーテッド』でオスカー受賞の
ウィリアム・モナハンが担当し、監督はロドリゲスの単独と
なるようだ。
04月22日(日)
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