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On the Production
by 井口健二
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■バトルシップ、君への誓い、バッド・ティーチャー、紙兎ロペ、屋根裏部屋のマリアたち、ワンドゥギ、ムサン日記、タイタンの逆襲
の生活を変えて行く。しかしそれは自分自身を失ってしまう
かも知れない悲しさに溢れたものだ。そんな決断に主人公は
迫られて行く。
かなり厳しい最後のシーンは、それが主人公の選んだ道を示
しているようだ。それは彼が捨ててしまったものの大きさを
ヒシヒシと感じさせるものにもなっていた。そしてそれは到
底ハッピーエンドとは言えなかった。
製作・脚本・監督・主演はパク・ジョンボム。物語は、脱北
者の友人の姿にインスパイアされたものとのことで、その友
人の境遇が物語には色濃く反映されているようだ。その思い
が集約された結末とも言える。
共演は、2010年11月紹介『戦火の中へ』などのチン・ヨンウ
クと、2010年『ポエトリー』などのカン・ウンジン。因に本
作は韓国では2010年の公開で、本作の演技によりカンの『ポ
エトリー』への出演が決ったそうだ。
始めは英雄視された脱北者も2万人を超えると関心も薄れ、
政府の支援などの負担も大きくなる。そんな脱北者の生活振
りは韓国でも知られていないことが多かったそうで、本作に
よってその実態が明らかにされた面もあるようだ。

『タイタンの逆襲』“Wrath of the Titans”
2010年4月紹介『タイタンの戦い』の続編。前作に登場した
ペルセウス役のサム・ワーシントン、ゼウス役のリーアム・
ニースン、ハデス役のレイフ・ファインズ。さらにポセイド
ン役のダニー・ヒューストンらが再結集し、ギリシャ神話の
世界が再訪される。
物語の背景は前作から数年後の時代。前作の戦いに勝利した
ペルセウスは、人間界に留まり漁師としての暮らしを続けて
いた。その間には妻を亡くし、1人息子を男手1つで育てて
いたようだ。そして息子には戦士の道は歩ませないようにも
していた。
ところが冥界の王ハデスが再び力を増し、今回はゼウスの息
子アレスも加担してかつてゼウスらが封じたクロノスの再興
が目論まれる。この事態にゼウスはペルセウスの許を訪れ、
神々と協力して戦うことを頼むのだが…
やがてアレスらによってゼウスが捕えられ、冥界の牢獄の前
に繋がれたゼウスからはクロノスを復活する力が奪われて行
く。そしてキメラが人間界を襲い始め、ペルセウスには父ゼ
ウス救出の天命が与えられる。
共演は、アンドロメダ役に2009年12月紹介『サロゲート』な
どのロザムンド・パイク。またアレス役に2008年2月紹介の
『バンテージ・ポイント』や12月紹介『チェ28歳の革命』
などに出演のエドガー・ラミレス。
さらに『POTC』などのビル・ナイ、2010年4月紹介『プ
リンス・オブ・ペルシャ』などに出演のトビー・ケベル、そ
して新作『ホビット』にも出演のジョン・ベルらが脇を固め
ている。
監督は、2011年3月紹介『世界侵略:ロサンゼルス決戦』な
どのジョナサン・リーベスマン。2010年12月紹介『かぞくは
じめました』などのグレッグ・バーランティの原案に基づく
脚本は、新人のダン・マゾーと2011年4月紹介『赤ずきん』
などのデイヴィッド・レスリー・ジョンスンが担当した。
前半のキメラの襲撃シーンなどは、CGIだが正しくハリー
ハウゼンを髣髴とさせる演出になっており、クライマックス
のクロノスの動きにもハリーハウゼンが感じられた。ハリー
ハウゼンが続編を作っていたら正しくこうなっていただろう
と思わせる作品だ。
なお本作にもブーボーはちゃんと「出演」しているが、もし
第3作があったら彼にももっと活躍して欲しいものだ。

04月08日(日)
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