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On the Production
by 井口健二
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■B&W、[●REC]³ 、ウルトラマンサーガ、隣る人、ハローゴースト、残酷な弓、ハングリー・ラビット、ミッドナイトFM+Dark Tower
2006年11月紹介『ファミリー』などのスエ主演によるサスペ
ンス・スリラー。
主人公は長年に渡り深夜番組を続けてきた人気の女性DJ。
しかしシングルマザーでもある彼女は、障害を持つ娘の治療
のため渡米を決意し最後の放送の日を迎える。ところがそん
な彼女の携帯に脅迫電話が架かってくる。
それはベビーシッターを頼んだ妹とその娘、そして我が子の
いる自宅から架かってきたものだった。そして主人公は、取
り敢えずは犯人の要求通りの曲を掛け始めるが…
2009年5月に紹介した韓国映画の『セブンデイズ』も、同様
のシングルマザーが娘を誘拐されるのだったが、その作品が
7日間だったのに比べると本作は1晩の話でそれだけ話は濃
密になる計算だ。
といっても、本作の舞台は放送局と自宅とその他の少数だか
ら、物語の広がりという点では少し負けているかな。しかし
主人公と犯人以外に関りを持つ人物が多く登場してそれだけ
話は変化に富んだものにはなっている感じだ。
共演は、2008年8月紹介『ファン・ジニ』などのユ・ジテ、
2011年2月紹介『生き残るための3つの取り引き』などのチ
ョン・マンシクとマ・ドンソク。そして娘役はイ・ジュナと
いう子役だそうだ。
監督は、2000年『JSA』などの美術監督を務めたキム・サ
ンマン。映画監督は2作目で、1作目はコメディだったそう
だが、元々コメディは得意でなく悔いが残ったとの。本人は
本作のようなサスペンスが好みのようで、それなりの演出を
している。
また脚本は、キム・フィという人のオリジナルからサンマン
が改訂しているが、元々はもっと大量殺人だったものをサス
ペンスの要素を高めるために少数にしたのこと。また後半に
はカーチェイスが追加されたりもしているようだ。
ただ、犯人の性格付というか動機と行動が合致していない感
じで、特に最後の展開は犯人が最初から想定していたものと
は思えず、偶然こうなると言うのには多少無理が生じている
感じはした。まあ観ている間は気にはならなかったが。
* *
昨年8月14日付で製作の延期を報告したスティーヴン・キ
ング原作“The Dark Tower”の映画化が、以前計画を進めて
いたユニヴァーサルを離れ、ワーナーに移されることが報告
された。
これは製作会社のイマジン・エンターテインメイントから
の情報によるものだが、それによるとユニヴァーサルは正式
に手を引き、ワーナーがその後釜として交渉されているとの
ことだ。またこの移転にともない製作規模などは維持される
とのことだが、因にユニヴァーサルの計画では3本の映画化
とテレビシリーズを展開するとしていたもので、実現すれば
かなりの規模の作品となる。
物語は西部劇を思わせる世界を背景にしたもので、そこで
gunslingersと呼ばれた男たちの最後の生き残りが、世界の
中心とされる塔を目指す旅が7巻に渡って描かれる。しかも
そこにはキングの他の著作がいろいろと関わり、キングの集
大成ともされる作品なっている。
そしてその映画化の計画は、元々キングとアキヴァ・ゴー
ルズマン主宰でワーナーに本拠を置く製作会社のウィード・
ロードと、ブライアン・グレーザーとロン・ハワード主宰で
ユニヴァーサルが本拠のイマジンとの共同で進められていた
もので、今回ユニヴァーサルが下りてワーナーに移るという
のは必然のようだ。従って監督には依然としてハワードの起
用が発表されているものだ。
03月18日(日)
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