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On the Production
by 井口健二
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■AKB48、SHシャドウ・ゲーム、最高の人生を、第九軍団の、コーマン帝国、ファミリー・ツリー、種まく旅人、ドラゴン・タトゥー+Riddick
まで違いを生じさせているのも面白いところだ。
その最も大きな違いは、スウェーデン版では40年前の事件の
謎解きに重きが置かれていたのに対して、本作ではその原因
となった聖書に基づく事件の解明の方に重点が置かれている
もので、その視点の違いには興味を引かれた。
しかもその部分は、スウェーデン人にとっては恥とされてい
る部分であるが、アメリカ人にとってそれは正に糾弾すべき
ものだったのだろう。そんな脚色の違いが物語の展開にも微
妙な異動を生じさせている。
それでスウェーデン版では謎解きの面白さが中心なのだが、
本作ではさらにその裏に潜む人間の業のようなものが炙り出
されて、それはまた興味深いものになっていた。正直なとこ
ろ、前作ではその辺が多少分り難かったが、本作でそれが明
確になった感じだ。
脚色は、1993年『シンドラーのリスト』でオスカー脚色賞を
受賞したスティーヴン・ザイリアン。昨年9月紹介『マネー
ボール』の脚色も手掛けたザイリアンは、本作の製作総指揮
も担当している。
しかし本作では謎解きの部分が物足りなくなったことも感じ
られるもので、できたら両方観ることが作品の理解をいっそ
う深めることになりそうだ。特にリスベット自身の問題は前
作の方が明確に描かれていた。
出演はダニエル・クレイグとルーニー・マーラ。2010年5月
紹介『エルム街の悪夢』と『ソーシャル・ネットワーク』に
も出ているマーラは、前2作のお嬢様的容姿からは想像ので
きない変貌ぶりで、スウェーデン版のノオミ・ラパスに劣ら
ない衝撃だった。
他には、クリストファー・プラマー、ステラン・サースガー
ド、スティーヴン・バーコフ、ロビン・ライトらが脇を固め
ている。
        *         *
 2010年2月14日付で計画だけ報告したヴィン・ディーゼル
主演“Riddick”シリーズの新作がようやく動き出した。
 シリーズ第3作となる新作のタイトルや詳細な内容などは
発表されていないが、前2作と同様デイヴィッド・トゥーイ
が監督と脚本も担当することになっている。
 また、2004年7月紹介の前作『リディック』にヴァーコと
いう役で登場したカール・アーバンの再登場が発表されてお
り、他に“Gattlestar Galactica”などに出演のケイティ・
スットクホフ、前々回紹介『BUNRAKU』に出演のジョーディ
・モラ、さらに若手のノーラン・ファンクらの共演が発表さ
れている。
 因に本作の撮影は1月19日に開始されているが、アーバン
は1月15日撮影開始の“Star Trek”続編のマッコイ役と掛
け持ち出演のようだ。さらに前作に登場したジュディ・ディ
ンチのような大物の名前はまだ出てきていないが、これもそ
の内にサプライズがあるかもしれない。
 ただ現状では公開時期などが未発表で、さらに配給系統も
発表されておらず、その辺が少し気になるところだ。

01月22日(日)
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