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On the Production
by 井口健二
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■昼下がりローマ、おとなのけんか、ジャックとジル、忘れられた夢、タッカーとデイル、51、レッド・ティアーズ、POV+Oscar/Makeup
ラッド』や昨年7月『レジェンド・オブ・フィスト』などは
漏れていたようだ。
なお本作は、昨年の東京国際映画祭《日本映画・ある視点》
部門に正式出品された。
『POV〜呪われたフィルム〜』
2006年9月紹介『椿山課長の七日間』などに出演の志田未来
と、2011年『もしドラ』に出演の川口春奈が実名で登場し、
番組に送られてきた視聴者投稿の「学校の怪談」ヴィデオが
本物の恐怖を巻き起こすという構成のホラー作品。
さらに映画は、番組収録の裏側を撮影したmakingという設定
で、最初はやらせと思わせる進行から、徐々に本物の恐怖に
巻き込まれて行く過程が、スタッフの持つヴィデオカメラに
よるPoint of viewで描き出される。
2009年12月紹介『パラノーマル・アクティビティ』や2008年
3月紹介『●REC』などでお馴染みになったPOVだが、
正直に言って物まねはなかなか上手く行った例がない。従っ
て本作に関してもその類という予想で、あまり期待しないで
観に行った。
しかし、さすが2000年『リング0』や2007年3月紹介『ドリ
ーム・クルーズ』などを手掛けた鶴田法男監督の作品は一味
違っていた。それは多分に感覚的な部分かも知れないが、観
ていてこの作品はホラーとして納得できたものだ。
お話は、怪異現象がヴィデオの中だけでなく、収録中のスタ
ジオでも起き始め、専門家を呼んで浄霊を行うことになる。
ところが専門家に悪霊のいるのはスタジオではないと指摘さ
れ、そこでヴィデオの撮影された学校に取材に向かうが…と
いう展開。
その展開は、ありそうと言えばありそうで、納得しながら観
ていられたものだ。そして学校では新たに拡大した展開が待
っているという、それは結構面白く描かれていた。因に脚本
は鶴田監督自身が手掛けている。
最後のカメラがどこから出現したのかなど、多少気になった
部分はあるが、概ね合格点と言えるだろう。ただしヴィデオ
の最後に写る映像にはもう少し期待したが、そこがはぐらか
されたのは多少残念ではあった。
以前は世界席巻したジャパニーズホラーも、最近は大手で製
作されることも少なくなっていたようだ。しかし本作は東宝
映像事業部が配給する作品で、それなりの規模での公開が期
待される。この勢いでまたブームを作り出して貰いたいもの
だ。
なお本作は、昨年開催された南アフリカ・ホラーフェスタと
ブエノスアイレス・ブラッドレッド映画祭でも公式上映され
たようだ。
* *
アカデミー賞makeup部門の予備候補7作品が発表されてい
る。
選ばれた7本は、“Albert Nobbs”“Anonymous”“The
Artist”“Gainsbourg:A Heroic Life”“Harry Potter and
the Deathly Hallows Part 2”“Hugo”“The Iron Lady”
で、僕はこの内の3本しか観ていないが、何となく平凡な感
じが強い。
僕としては、ディカプリオとナオミ・ワッツを見事に老け
させた『J・エドガー』なども選ばれるかと思ったが、この
時点ですでに落選のようだ。まさか、いまさらヴォルデモー
ト卿に与えるとは思いたくないが、シリーズ最終作ではある
し、最終候補に残ったらセレモニーのパフォーマンスには出
てくるかな。
最終ノミネートの発表は今月24日だ。
01月15日(日)
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