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On the Production
by 井口健二
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■戦火の馬、善き人、すべての女に嘘がある、ヒューゴの不思議な発明、三国志英傑伝・関羽、ハンター、英雄の証明、きつつきと雨+年末挨拶
『ゴースト&ダークネス』などのジョン・カニ、2005年9月
紹介『ミリオンズ』などのジェームズ・ネスビットらが脇を
固める。
闘うことでしか生きられなかった男の悲劇が、ベテラン俳優
たちの見事な演技合戦で描き出されている。

『きつつきと雨』
2009年『南極料理人』の沖田修一監督が自身のオリジナル脚
本を映画化し、2011年第24回東京国際映画祭のコンペティシ
ョンで審査員特別賞を受賞した作品。山間の村に撮影のため
やってきた若い監督と、無骨なきこりの男性との素朴な交流
が描かれる。
物語の始まりは、林の中でチェーンソーを使って樹木の伐採
しているきこりの男。その樹木が倒れる先から中年の男が現
れ、撮影中の騒音を止めるように要請される。ここでは助監
督の男ときこりとのちぐはぐな会話が笑い誘う。
しかしこのシーンだけで、その村で映画の撮影が行われてい
ることと、きこりの男が既にそれを了解していることの両方
が理解されるのだから、これは始まりからしてなかなか巧み
なシナリオと言えるものだ。
そしてひょんなことからその映画にエキストラ出演すること
になったきこりの男は、徐々に映画の撮影に飲み込まれて行
くのだが…。何事にも自信の無さげな監督の率いるその撮影
現場には殺伐とした雰囲気が漂い、撮影は行き詰まり掛かっ
ていた。
一方、きこりには監督と同年代の息子がいてその息子への思
いが監督と重なって行く。そんなきこりとの何気ない会話が
監督の心に響き、彼を勇気付け始める。そんな紆余曲折の中
でゾンビ映画の撮影が進められて行く。
出演は、役所広司、小栗旬。他に古舘寛治、高良健吾、臼田
あさ美、嶋田久作、平田満、伊武雅刀、山崎努らが脇を固め
ている。
役所演じるきこりの、本当に何気ない会話や行動が小栗扮す
る監督を勇気付け、そして自信を取り戻した監督の許ではそ
れまで協力的かどうかも判らなかった助監督や撮影監督らが
適切な助言を出し始める。
そしてある意味で理想的とも言える撮影現場が形成されて行
く。それは素晴らしい人情味にあふれたシーンだし、そんな
素敵な展開が見事に描かれている作品だった。
なお映画祭で上映されたオリジナルの上映時間は2時間9分
だったが、試写では映画祭のときから冗漫だった部分が少し
再編集されていたようで、一般公開では多少短くなっている
かもしれない。
        *         *
 年末に入り、突然の足の痛みに襲われました。現在医者に
は椎間板ヘルニアと診断され、絶対安静を命じられておりま
す。このため今回の記事はあまり推敲できていませんので、
その点ご了承ください。
 また年末のサッカー試合の応援にも行くことができず、今
年はホーム戦は全試合の応援に駆けつけたのに、年内最後の
ホーム側での応援に行けなかったのは残念至極です。また今
年はバンコクでの最初の試合も観戦したのに、国内での最後
の試合を観戦できなかったのも心残りでした。
 なおサッカーの応援では、九州・山陰、北陸などにも出掛
けましたが、それらの観戦記は、Jリーグファンサイト[J's
GOAL]のスタジアムガイドにも、OnthePrductionの名義で投
稿していますので、よろしかったらご覧になってください。
 年内は今回が最後の更新になります。また来年もよろしく
お願いします。良い年をお迎えください。

12月25日(日)
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