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On the Production
by 井口健二
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■トワイライト、Gドクター、恋人たちのパレード、果てしなき路/断絶、ジョン・カーター(特)、ウタヒメ、ニュー・イヤーズ・イブ+Alice
エアのボール・ドロップを初めて任された地元協議会の副代
表から、喧噪に背を向けて部屋に閉じ籠っているアーチスト
までの様々な人々。
その中には、セレブパーティを任されたケータリングの女性
シェフと人気歌手、死期を迎えたのに誰も見舞いに来ない老
人と彼を見守る看護士、その年の最初に誕生した赤ん坊に贈
られる懸賞金を目当てに出産を競い合う両親たち。
その一方で、大晦日まで仕事をしているバイク便の配達人と
その受取人の女性、大晦日を思い切り楽しみたい10代の娘と
過保護な母親。そして、去年の大晦日にパーティを抜け出し
て出会った女性と1年後の再会を約束しているセレブの男性
などなど。
そんな人々が約2時間の映画の中で、様々なドラマを織り出
して行く。
出演は、オスカー受賞者のロバート・デ・ニーロ、ヒラリー
・スワンク、ハル・ベリー。ノミネーターのアビゲイル・ブ
レスリン、ミシェル・ファイファー。前作にも出演していた
ジェシカ・ビール、アシュトン・カッチャー(それぞれ役柄
は異なる)。
さらにこの街には欠かせないサラ・ジェシカ・パーカー、人
気歌手のジョン・ボン・ジョビ、今年9月紹介『グリー』の
リー・ミシェル、2008年11月紹介『ハイスクール・ミュージ
カル』のザック・エフロン。
また、2009年8月紹介『男と女の不都合な真実』のキャサリ
ン・ハイグル、昨年12月紹介『かくぞはじめました』に出演
のジョッシュ・デュアメル、今年7月紹介『ワイルド・スピ
ード』に出演のクリス・“リュダクス”・ブリッジス。
さらに、ノンクレジットでマイクル・ブルームバーグ市長本
人や今月紹介『ペントハウス』のマシュー・ブロデリックら
も顔を出している。
喧噪の渦巻く中で次々に発生するトラブルや、それを何とか
修復しようと頑張る人々。特にハル・ベリーを中心にした2
つの物語が素晴らしい彩りを添えていた。
        *         *
 今回はちょっと気になった情報を一つ。
 11月27日に死去した1980年『アルタード・ステーツ』など
のイギリスの名匠ケン・ラッセル監督が、生前に1976年公開
“Alice in Wonderland”のリメイクを計画し、オリジナル
の製作者ビル・オスコと共に脚本も略書き上げていたという
ものだ。
 この情報にはティム・バートン版も公開されたばかりなの
に何を今更、という感じになるが、実はこの作品、正式には
“Alice in Wonderland: An X-Rated Musical Fantasy”と
呼ばれているもので、つまりポルノ・パロディ。オスコは、
1974年には『フレッシュ・ゴードン−Space Wars』の邦題で
日本公開もされた“Flesh Gordon”も発表しており、その後
は1984年に“Night Patrol”なんて作品も製作しているが、
その手の作品では有名な製作者だった。
 そして今回のオリジナルに関しては、当時毎年夏休みに訪
米していた僕は現地で鑑賞していたもので、その時は「宇宙
船」誌などに報告もした。そんな作品をラッセルがリメイク
する計画だったということだが。今回の情報では監督の未亡
人が遺志を継いで映画化を実現したいとして、現在製作資金
の調達と監督の選考を行っているとのこと。
 オリジナルを観て一番感心した部分は、実はバートン版で
も描かれてしまっているが、勿論それも踏まえてどのような
ラッセル版が誕生するか、これは楽しみなことだ。

12月18日(日)
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