ID:47635
On the Production
by 井口健二
[471017hit]

■無言歌、アーチ&シパック、J・エドガー、アフロ田中、ペントハウス、一万年愛してる、ミッション:インポッシブル-GP、ピアノマニア
また2009年10月と2010年7月紹介『ミレニアム』シリーズに
出演のミカエル・ニクヴィスト、テレビドラマ『LOST』
などのジョッシュ・ホロウェイ。さらにトム・ウィルキンス
ン、ヴィング・レイムズらが脇を固めている。
このシリーズは、1966年から1973年まで製作されて日本でも
人気を呼んだテレビシリーズの映画版リメイクだが、前3作
の映画版では主人公が殆ど単独で活動し、テレビシリーズで
展開されていたチームプレーの面白さが減少していた。
しかし今回は、主人公はハントで変わらないが、その脇をチ
ームのメムバーがしっかりとサポートしており、元々のテレ
ビシリーズの面白さが復活されている。これには往年のファ
ンとして満足できた。このメムバーで次回作も期待したいも
のだ。
脚本は、今回は製作に回ったJ・J・エイブラムスの許でテ
レビドラマ『エイリアス』を手掛けてきたアンドレ・ネメッ
クとジョッシュ・アッペルバウム。その脚本には、ペッグの
コメディ・リリーフぶりなども見事に活かされていた。
そして監督は、2004年11月紹介の『Mr.インクレディブル』
と、2007年6月紹介『レミーのおいしいレストラン』で2度
のオスカー長編アニメーション賞受賞のブラッド・バード。
実写作品の監督は初めてだが、大掛かりなアクションも見事
に描き切っていた。

『ピアノマニア』“Pianomania”
1853年から続くピアノメーカー=スタンウェイ&サンズの技
術主任で、ウィーン在住のピアノ調律師シュテファン・クニ
ュップファーの2006年から2007年に掛けての1年間を追った
ドキュメンタリー。
映画は、日本でも人気の中国人ピアニスト、ラン=ランのリ
ハーサル風景に始まり、J・S・バッハの「フーガの技法」
の録音を1年後に控えるピアニスト、ピエール=ロラン・エ
マールとの準備作業の様子などが描かれて行く。
そこには、パワフルな演奏に耐える椅子の調達から、チェン
バロ、オルガン、室内楽、アンサンブルの4つのシチュエー
ションを1台のピアノに求める演奏家の要望など、様々な要
求が調律師の許に寄せられる。
それらの要求を的確に実現し、さらに細かなテクニックや新
規な発想などで、演奏家の求める音を追求する様々な試みが
展開されて行く。その一方で多くの演奏家に愛された名器の
売却が決まり、後継器に新たな期待が込められたり…。
元々ピアノは、ヴァイオリンなどのように演奏家が自前で携
行できる楽器と異なり、その会場にある楽器を演奏家の希望
に合わせて調律しなければならない。そんな調律を行うのが
調律師の仕事となる。
僕が幼い頃に住んでいた家にアップライトだがピアノがあっ
て、それには何度か調律師が来て調律を行うのを間近に観て
いた経験もある。しかし単に音程を合わせるだけと思ってい
た調律にこんな深い世界があったとは…、当時は考えもしな
かった。
そんな今まで知らなかった世界が興味深く展開される。しか
もその間には、上記の2人を始め、2008年に現役引退したア
ルフレート・ブレンデルの演奏なども挿入され、それは聴き
応えのある作品にもなっている。
さらには、YouTubeで話題のミュージカルコント“A Little
Nightmare Music”のアレクセイ・イグデスマンとリチャー
ド・ヒョンギ・ジョーが登場し、その前で調律師がピアノと
ヴァイオリンによるネタを披露するなど、ピアノ調律の魅力
の全てが描かれている。
音楽に興味のある人は勿論、そんなに興味のない人にも充分
に楽しめるドキュメンタリー作品だ。

12月04日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る