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On the Production
by 井口健二
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■花子の日記、51、歴史は女で作られる、タンタンの冒険、パーフェクト・センス、セカイの向こうに、ドライブ、フラメンコ/フラメンコ
の時を迎える。そして夫は男の存在も気にするが、夫の事情
で2人はある仕事で手を組むことになる。ところが…
共演は、昨年5月紹介テレビシリーズ『ブレイキング・バッ
ド』で3年連続エミー賞受賞のブライアン・クランストン、
1987年『ブロードキャスト・ニュース』などのアルバート・
ブルックス。
他に、今年4月紹介『エンジェル・ウォーズ』などのオスカ
ー・アイザック、昨年12月紹介『かぞくはじめました』など
のクリスティーナ・ヘンドリック、さらに、2008年9月紹介
『ヘル・ボーイ』などのロン・パールマンらが脇を固めてい
る。
なお、本作は2006年に翻訳の出ているジェイムズ・サリスと
いうミステリー作家の原作に基づくものだが、原作の女性は
ヒスパニック系だったそうだ。しかし脚本を読んだマリガン
が出演を熱望し、彼女に合わせて脚本が書き直されたとのこ
とだ。
そんな女性の姿をマリガンが繊細に演じ、微妙な三角関係を
見事に描き出して行く。
なお原作者のサリスは、ウェブで調べたらサミュエル・R・
ディレイニーの関連書籍や、トマス・M・ディッシュの追悼
文なども発表しているようで、もしかしたらSFにも理解の
ある作家かも知れない。
ただ、映画は暴力的な描写で日本公開はR-15のレイティング
とされるもので、その辺の描き方には衝撃も覚える作品だっ
た。これが原作のせいなのかそれとも監督の嗜好かは判らな
いが、その辺は少し覚悟して観る必要はありそうだ。

『フラメンコ、フラメンコ』“Flamenco, Flamenco”
2010年2月紹介『ドン・ジョヴァンニ』などのスペインの名
匠カルロス・サウラ監督が、スペイン・アンダルシア地方の
伝統芸術「フラメンコ」の真髄に迫った2010年の作品。
サウラ監督は、1994年にも『フラメンコ』と題する同様の作
品を発表しており、その際も組んだ1980年『地獄の黙示録』
など3度のオスカーに輝くカメラマン=ヴィットリオ・スト
ラーロと共に、再びその世界に挑んでいるものだ。
そしてそこには、フラメンコの神と称されるマエストロたち
と、新世代のアーチストたちが豪華に共演し、前作から16年
を経たフラメンコの今が描き出されている。
という作品だが、正直なところはフラメンコにかなり精通し
ていないと本作を完全に理解することは難しいようだ。
実際に作品はナレーションなどを一切廃して、ただフラメン
コの演奏を描写して行くだけで、そこには演奏者の名前など
はテロップで表示されるが、その名前も知らなければ作品の
本質も理解できない。
因に作品では、ルンバ、アレグリアスなどのフラメンコの種
類に分けた演奏なども行われているようで、それらが21章、
21の楽曲に渡って描かれている。それもテロップには表示さ
れるものだが、これらも事前の知識なしでは判断ができなか
った。
さらに映像には、多分ロートレックらによるフラメンコを題
材にした様々な絵画も登場するが、それも解説抜きではなか
なか判断も難しい。僕にはロートレック、ルノワール辺りが
かろうじて判る程度だった。
とは言え監督の1994年作以来、日本にもフラメンコのファン
は激増しているのだそうで、そういう人たちにはこれで充分
なのかな。それは豪華な演奏が、見事な舞台装置の中で繰り
広げられる作品だ。
なお作品では巻頭と最後に「緑よ、私が愛する緑」“Verde
que te quiero verde”という楽曲が2回も登場し、「ヴェ
ルディ、ヴェルディ」と歌われるもので、これは東京ヴェル
ディのサポーターには是非観て貰いたいと思ったものだ。

11月13日(日)
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