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On the Production
by 井口健二
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■永遠の僕たち、明日泣く、東京オアシス、密告者、灼熱の魂、一谷嫩軍記、エイリアン・ビキニの侵略、コンテイジョン、ラブ・アゲイン
の『アウトブレイク』が頭に浮かぶところだ。ただしそれが
極めて個人的なドラマに収斂された前の作品に比べて、本作
では、正に今日、今すぐにも起こりそうな群像劇に描かれて
いる。
しかも監督はその物語を極めてクールに、簡潔な描写で描き
出し、それは実際に起きた事件のドキュメンタリーを観るよ
うな感覚で観客を魅了する作品になっていた。いやあ、実際
に1時間46分の作品は、片時もスクリーンから目を離せなか
った。
出演は、マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ロー
レンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ。
さらにグウィネス・パルトロウ、ケイト・ウィンスレット、
昨年5月紹介『ブレイキング・バッド』などのブライアン・
クランストン、今年1月紹介『英国王のスピーチ』のジェニ
ファー・イーリーらが脇を固めている。
脚本は、2009年10月紹介ソダーバーグ監督作品『インフォー
マント!』などのスコット・Z・バーンズ。因に脚本家は、
現在、年末撮影開始予定のデイヴィッド・フィンチャー監督
作品“20,000 Leagues Under the Sea: Captain Nemo”と、
ソダーバーグ監督予定“The Man from U.N.C.L.E.”の脚本
も担当しているようだ。

『ラブ・アゲイン』“Crazy, Stupid, Love.”
2008年7月紹介『ゲット・スマート』などのスティーヴ・カ
レルと、2011年1月紹介『ブルー・バレンタイン』などのラ
イアン・ゴズリング共演で、突然妻から離婚を言い渡された
中年男性の姿を描いたコメディ作品。
安定した職場に勤め、家族にも恵まれて、生涯をそのまま過
ごせると思っていた男性が、突然妻から離婚を要求される。
それは妻の不倫も原因だったが、ン10年を妻一筋に過ごして
きた主人公には、男性の魅力も消え失せていた。
そんな主人公がふと訪れたバーで見掛けたのは、女性の間を
渡り歩く魅力的な遊び人。しかもその遊び人は主人公の惨状
を見兼ねたのか声を掛けてくる。そしてその遊び人の指南に
よって主人公の変身作戦が始まるが…
共演は、ジュリアン・モーア、2010年5月紹介『ゾンビラン
ド』などのエマ・ストーン。他にマリサ・トメイ、ケヴィン
・ベーコン、2007年4月紹介『ゾディアック』などのジョン
・キャロル・リンチ。
さらに、2005年11月紹介『ザスーラ』などのジョナ・ボボ、
2011年1月紹介『グリーン・ホーネット』では主人公の恋人
役を演じたアナリー・ティプトンらが脇を固めている。
脚本は、ピクサー社の共同創業者で、2006年6月紹介『カー
ズ』や2011年2月紹介『塔の上のタプンツェル』などのダン
・フォーグマン。監督は、2009年12月紹介『フィリップ、き
みを愛してる!』のグレン・フィカーラ、ジョン・クレアの
コンビが担当した。
製作は、2007年5月紹介『ラッキー・ユー』などのデニース
・ディ・ノーヴィ。因に製作者は現在、ザック・スナイダー
監督でレイ・ブラッドベリ原作“The Illustrated Man”の
計画も進めているようだ。
自分がすでに中年過ぎの男性の目から観ると、かなり耳の痛
い指摘もあるし、それは心して観なければいけない作品にも
なっている。でも、それはまた僕らのような男性に対するエ
ールのような感じにも取れるもので、その辺では嫌みもなく
すっきりとした気分で観られる作品だった。

10月02日(日)
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